また、異様な短縮語だが、「アポイントメント電話」のことだという。直訳すれば「予約電話」であるが、事前に、自宅に現金がいくらあるのかを電話で確認する行為であり、現金があることを確認すると、それを入手するための詐欺的行為を働いたり、強奪をするという手荒で許しがたい手口の犯行に至る。
ここで、驚くのは、どのような手練手管を弄するのか細部は不明であるが、電話で現金の有無を尋ねられて、正直に答えさせる説得力である。また、問いかけに素直に応じる人達が存在するという事実である。説得力は、詐欺や強盗に使用するのでなく、他の分野や目的に活かせば、すばらしい能力になるだろう。もしも、マニュアルでもアルのなら、是非とも読んで、その手口を分析してみたいものである。
被害者の素直すぎる態度にも驚嘆するが、人を信用することを責める訳にはいかない。しかし、メディア・リテラシーの初歩として、情報は、疑ってかかる、しかる後に受容の可否を決めるという程度の「人の悪さ」があってよいのではなかろうか。