テレビ各局は、新元号を巡って大騒ぎをしている。昨日は、さすがに気が引けたのか、キャスターが、「メディアでは大盛り上がりですが、世間一般ではそうでもないのかもしれません」という趣旨の発言をしていた。 私は、別に盛り上がってはいない。「昭和」が「平成」に替わった瞬間(官房長官による発表)の映像は記憶しているが、「へぇ、そうか」と思っただけで、うれしくもかなしくもなかった。「明治は遠くなりにけり」というような感慨はなかったのである。 カレンダーを製造している人達はやきもきしたらしいが、それは分かる。いち早く知っておかないと商売あがったりだからである。私はカレンダー業界に生きている訳ではないので、一向に困らない。大多数の人は同様であろう。 改元に伴って大規模連休が発生するという話題が持ち上がっていたが、今は、十連休の問題も一休みなのであろうか、報道されることが稀になった。(それにしても、最近は連休が多い。) かつて、幼児の発話データの中におもしろいものを見つけたことを思い出した。 「今度、ぼくの名前を付けるときは、ぼくに相談してね。自分の名前は、自分で付けるから!」 自分の名前が気に入らない子供の悲痛な叫びである。論理的にはおかしいが、分からないでもない。 日本人としては、改元も、これほどの切実さでもって対応するのがよいのだろうかと思いつつ、どうも盛り上がらない。勝手に盛り上がるテレビ番組を見ながら、自らの立ち位置をはかりかねている。
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