ゴーン被告が、勾留108日の後に、10億円の保釈金を支払って、拘置所から釈放された。異例の長期勾留である。
釈放されるに当たって、拘置所玄関から、作業服に変装したゴーン氏が、スズキの軽ワゴンに乗り込んだ。通常の釈放と違って、集まった報道陣も混乱しているようであった。今回の件は、フランスも株主の会社に関わる国際的な事件で、フランス大使館の職員も出迎えたようだ。
世界が注目する中での、異例の釈放風景は、日本人にも異様に映ったが、欧米ではどうであったろうか。ゴーン陣営の、世界に対するアピールだろうか。
なにやら時代劇の再放送のような趣があり、「○○屋、おぬしも悪よのう、」という声が、どこかから聞こえてきそうである。時代錯誤と言えば、本日、同時に、これも300日という長期の勾留をされた籠池夫妻(森友学園)の裁判が始まった。全15回という長期にわたる裁判の第一回であるが、籠池氏は、国策逮捕、国策捜査、国策勾留……と政治的な意図による被害者であることを主張している。報道された夥しい情報から、事件の背景に政治的な働きかけの疑惑があるようだとの疑問が払拭しきれない。これは、いよいよ時代がかってきている。
これらの異例とも言える事例のありようは、近隣の社会主義大国、独裁主義国でのできごとのようでもあり、かつまた、開発途上国のいくつかではあり得るかもしれないことではあるが、先進国、自由主義国である日本の司法および行政に関しては望ましいこととはいえない。