学校は靴のかけっこ (2)

2013-11-05 21:18:44 | 童話
あれっ、前の組に比べると靴が少ないや。
どうしてだろう、どの組も同じ数だのに。

あっ、裸足だ、裸足だ。早い、早い、靴の代わりに裸足が走っている。
裸足が一着だ、次は赤い靴だ、そして白い靴、灰色の靴。

次々とピストルの合図で走っている。
みんな走り終わった、みんなハァハァいっている。
みんな頑張った、みんな早い。

体育館では、沢山の靴がキュッキュッと音を立てている。
そしてボールを追っかけている、
大きなボールを追いかけている。
バスケットボールだ。

こっちの靴がキュッ、あっちの靴もキュッ。
沢山の白い靴が走ったり止まったりしている。
あっ、こっちの白い靴がピョンと飛んだ、高く飛んだ。
シュート成功。白い靴のシュートが成功した。
今度ネットの下の靴がボールを持って反対方向に走っていった。
沢山の靴が同じ方向に走っていく。
両方のゴールに次々とシュートされて、次々とボールがゴールに入っていく。
右に行ってはキュッ、左に行ってはキュッ。
笛が鳴りバスケットボールの試合が終わった。

両方とも沢山の点数が入った。
沢山の白い靴が、沢山がんばった。

キュッキュッ、キュッキュッと、みんながんばった。
キュッキュッ、キュッキュッと、みんな疲れた。
明日もみんなでキュッキュッ、みんなでみんなでキュッキュッ。