火星に行く日と火星に帰る日(3)

2020-08-20 06:57:13 | 童話
しばらくして、火星の子供達が乗った宇宙船が地球に向って飛び立ちました。
一方、地球の僕達は果物をたくさん買って箱の中に入れました。
そして、たくさんの水筒にお水を入れて、その水筒を大きなカバンに入れました。

その時、僕達の近くでたくさんの水筒にお水を入れている子供に会いました。
僕達は自分達のお水を入れるのが終っていたので、水筒にお水を入れるのを手伝ってあげました。
『ありがとうね。』
『うん、いいよ。』

しばらくして、僕達はお花屋さんでたくさんの苗木を買っている子供を見つけました。
『やあ、また会ったね。』
その子は、僕達がお水をたくさんの水筒に入れるのを手伝ってあげた子でした。
『また会ったね。』
『そうだね。』
『今日は何しているの?』
『木を植えるので苗木を買っているんだよ。』
『手伝ってあげようか?』
『うん。』
僕達は苗木を車まで運ぶのを手伝ってあげました。
『ありがとうね。』
『うん、いいよ。』

そして、一週間が経った時に僕達は火星へ行く宇宙船に乗って地球を出発しました。
『緑色と青色のきれいな地球さん行ってくるね。』
僕達の宇宙船がしばらく飛行していると、うしろからもう一基の宇宙船が近付いてきました。
窓から見てみると、その宇宙船に乗っていたのは、あの苗木を買っていた子供でした。

『やあ、また会ったね。』
『そうだね。君達はどこへ行くの?』
『僕達は火星へ行くんだよ。君達はどこへ行くの?』
『僕達は火星に帰るんだよ。』
『ふぅ~ん。君達はたくさんのお水と苗木を持っていたけれどどうするの?』
『火星に着いたら、苗木を植えてお水をあげるんだよ。あとね、海も作るんだよ。』
『そうなんだ、僕達も火星に種を植えて、お水をやって大きな木に育てるんだ。僕達も海を作るよ。』
『僕達と一緒だね。火星に着いたらみんなでやろうか。』
『そうだね、一緒にやろうか。』
『うん、そうしようよ。』