僕の背中(2)

2021-02-20 09:51:49 | 童話
僕は自動車に聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『エンジンの回転を多くするとスピードがでるんだよ。』
『だめだよ、僕にはエンジンが付いていないよ。』

夕ご飯の時に、僕はお父さんに聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『前にテレビでやっていたけれど、ヒザを高く蹴り上げるようにするといいんだと言っていたよ。一緒に練習をしようか?』
『うん、楽しみだなぁ。』

僕はお父さんと公園に来て練習を始めた。そして、お父さんが腕時計で測った。
『まだダメだよ、もっと高くヒザを上げて走らない。』
『だめだよ、上手くできないよ。』
『そんな事を言っていたら、いつまで経って速く走れないよ。』
『うん、わかった。』
『今度は走らないで、ヒザを高く上げる練習をしよう。ほら、右、左、右、左。よしっ、その調子だ、右、左、右、左。だいぶ高く上げるようになってきたよ。』
『うん。』
『ちょっと休憩しようか。』
僕はお父さんからもらったお金でジュースを買った。冷たくておいしかった。
そこにお母さんと妹がやって来た。
お母さんはお父さんから僕が頑張っている事を聞いて『偉いわね。』と喜んだ。
お父さんが『今度は走ってみよう。』
『うん、頑張るから見ていてね。』
僕は思いっきりヒザを上げるように注意をして走った。最初はうまくヒザを高く上げる事ができなかったが、だんだんできるようになってきたのが自分でもわかるようになってきた。