僕の背中(3)

2021-02-21 10:55:46 | 童話
妹が『ガンバレ、ガンバレ。』と言って応援をしてくれた。
お父さんが、『だいぶ高く上げられるようになったから時間を計ろうか?』と言った。僕はなんだか速く走れるような気がした。
『よ~いドン。』

僕は前より、もっとヒザを高く上げるようにして思い切って走った。
お父さんが『ああ、いいよ。さっきより5秒も速くなったよ。』といったので僕は嬉しかった。
それからは、僕は学校にいる時も、家に帰って宿題が終った時も、一生懸命に練習をした。
学校の体育の時間に徒競走があった。
僕が走る番だ。『よ~いドン。』僕は練習どおりヒザを高く上げて走った。5人で走って3番目になった。僕の背中を見ながら走っている友達が2人いたのだ。

僕は夕ご飯の時にみんなに、5人で走って3番になった事を話した。
お母さんは『すごいわね。』と言って喜んでくれた。
お父さんは『まだ前に2人いるからガンバレ。』と言って励ましてくれた。
僕は『うん、あと2人だね、がんばるよ。』

そして、楽しみにしていた運動会がやってきた。僕達の徒競走の順番となり、僕はヒザを高く上げて走り、2番となった。1番の友達はすごく速いので追い越す事ができなかったのだ。
だけれど、僕は1番になるために毎日毎日練習を続けている。

    おしまい