カピバラさんの2泊3日(2)

2021-03-14 11:15:16 | 童話
お父さんの
『出発するから起きなさい。』
の声に起こされたが、外はまだ真っ暗です。
僕たちは、リュックの中から水筒を取り出し、水を入れて再び水筒をリュックに詰込んだ。
そして、みんな頭とお尻に懐中電灯を付けて、暗い道を歩き始めました。
僕たちカピバラは、飼い主さんと一緒でなければ電車に乗れないので仕方ないのです。
飼い主さんと一緒でも、カートの大きさ制限が、長さ七十センチ以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が九十センチ程度には、お父さんやお母さんは入らないので仕方がないのです。

お父さんが先頭で、次がお姉ちゃん、そして僕、最後がお母さんで、一列になって道路の右側を歩いていきました。広い道路なので、前から大きな車が沢山来て少し怖かったです。
暫くすると太陽が出てきて明るくなり、僕たちは道路の横の草むらで懐中電灯をはずし、リュックを下して休憩しました。みんなの背中は汗でビッショリになっていました。その草むらには美味しい草がいっぱい生えていたのでリュックの中の干し草は食べませんでした。
1時間ほどして、僕たちは懐中電灯をリュックにしまい、そのリュックをまた背負って歩き始めました。

しかし、今度は日が照っていて暑いので、一時間ごとに休憩をして、リュックの水を飲みましたが、その水は、すごく美味しかったです。
そして、お昼になって野菜を食べることにしました。

僕は『ニンジンにしようかなぁ、それともキュウリにしようかなぁ。』と考えていると、お姉ちゃんが、
『両方を半分ずつ食べればいいのよ。』
と言いました。よく見ると、お父さんとお母さんも半分ずつ食べていました。
そして、食後の休憩をしている時に、前から来た自動車が止まり、小さな男の子が窓から顔を出して『何処へ行くの?』と聞きました。
僕は『田舎の友達の所へ行くんだ。』と言ってバイバイしました。