なぜだろう(2)

2022-01-27 10:09:04 | 童話
電車に乗っていると、窓に映った僕が話しかけてくる。
『気を付けていないと、電車が揺れた時に転ぶよ。』
『うん、わかった。』

どうしてみんなが話しかけてくるのだろうか?
何時ごろから話しかけてくるようになったのだろうか?
夏休みのある日の夕立で、近くの大きな杉の木に雷が落ちた事が有る。
ゴロゴロ、ゴロゴロ、ピカッ、ドド~ン。
『ビックリしたね。』
僕がおもわずつぶやいた時に、部屋の中に置いて有るサボテンが
『そうだね、ビックリしたね。』と返事をした。
『えっ、だれ?』
『僕だよ。サボテンだよ。』
『サボテン君はしゃべれるの?』
『うん、しゃべれるけれど、今迄黙っていたんだよ。』
『君以外にしゃべれる植物がいるの?』
『みんなしゃべれるよ。』
僕は玄関に飾っている花瓶の花に話しかけた。
『君もしゃべれるの?』
『うん、しゃべれるよ。』

『机の僕もしゃべれるよ。』
『テーブルの私もしゃべれるわよ。』
『植物以外もしゃべれるんだ。』
『犬や猫もしゃべれるよ。』
『わぁ、楽しいなぁ。みんなでお話しをしようよ。』
『ワイワイ、ガヤガヤ。』
僕以外にも、みんなとお話しができる子がいるのかなぁ?