僕と、お父さんとボクとの約束(1)

2017-03-27 21:26:31 | 童話
僕はご飯を食べるのが遅く、家族みんなが食べ終っても、僕はまだ終らない。
『いつまで食べているの、早く食べなさい。』と、お母さんにいつも注意される。
そして、
『早く学校へ行かないと遅刻するわよ。』
と、お母さんに毎日注意される。

僕は学校の徒競走では、いくら頑張ってもいつもビリになってしまうし、鉄棒の逆上がりができない。
僕は頑張っているが、できないんだ。

僕が友達と学校へ行っている時、友達が
『だれか知らない子が一緒に歩いているけれで、君の友達かい?』
『ううん、知らない子だよ。』
『ランドセルを背負っていないけれで、どこへ行くのかなぁ?』
『そうだね、どこへ行くのかなぁ?』
学校に着くと、その知らない子は居なくなっていた。

次の日も、僕と友達が学校へ行っている時に、その知らない子が一緒に歩いていた。
『ねぇ、君はだれ?』
『ボクの名前はツヨシ。ボクは君をよく知っているよ。』
『なんで君は僕を知っているの?』
『ボクはね、君のお父さんの子供の頃なんだ。』
『でも、お父さんは大人で大きいよ。』
『お父さんも子供の頃があって、それがボクなんだ。』

『ふぅ~ん。だけれど、僕は朝お父さんが会社へ行く時に、行ってらっしゃいと言ったんだよ。』
『それはお父さんで、ボクはお父さんの子供の頃なんだよ。』
『ふぅ~ん。だけれど君はなぜ、いつも僕の所にいるの?』
『ボクは君が頑張っているのは知っているけれど、ボクと一緒にもっと頑張れるようにしようよ。』
『どうやってやるの?』
『ボクと同じ事をするだけだよ。』
『最初は走る練習をしようか?』
『うん、いいよ。』


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