カエルの僕が月へ行った話(2)

2018-09-10 06:00:52 | 童話
練習をしている僕を見てスポーツをしている人間が、筋肉を強くする薬をくれた。
その人は、自分で飲むために買ったけれど、人間はルールで飲んではいけないことが判り、僕にくれたのだったが、カエルは飲んではいけないルールは無いから大丈夫なんだ。

僕は毎日跳び上がる練習を続けた。今度は筋肉を強くする薬を飲んでいるので、どんどん高く跳び上がれるようになったし、どんどんうしろ脚が太くなった。
そして、2階の屋根を超えるようになった。だけれど、月はず~と上にある。
ある日、跳び上がって降りてきた時にどこかに顔をぶつけてしまった。高く跳び上がったので下りて来た時に池の底で顔をぶつけのだ。僕は、次からはもっと深い池で練習することにした。

ついに5階建のビルの高さまで跳び上がれるようになった。この高さまで跳び上がれるようになるのに2年かかった。僕達カエルは5年くらいしか生きられないので、後3年あるが、年を取ってくると体力が弱くなるので、体力を使って練習できるのは後1年くらいしかないのだ。
月へ行くために練習だ、練習だ。

僕はもっと高く跳び上がるために池の横に植わっている大きな木の一番高い所に登り、エイッと跳び上がった。その時、枝が揺れて僕はバランスを崩して、また背中から池に落ちて息ができなくなった。背中が痛くて痛くて、2日間寝ていた。そして、枝は揺れるので木から跳び上がるのはやめた。

次に考えたのは山の頂上から跳び上がる方法である。
僕は池が近くにある山を探した。 
そして、お母さんにお弁当を作ってもらって近くの山に出掛けたのだ。
お昼に着いたので、お弁当を食べてから山に登った。やっと山頂に着いたので準備運動して、
『お父さん、お母さん、今から跳ぶよ。エイッ。』
僕は跳び上がってどんどん高くなった。そして、思い切り跳びあがって周りを見ると僕より高いものが何も無いことに気が付いた。やがて池に頭から落ちて行った。
家に帰ってから、お父さんとお母さんに話をすると、お母さんは
『すごいわね。』、
と言ったが、お父さんは
『まだダメだね。』
と言った。


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