時間の番人(1)

2016-09-29 21:02:27 | 童話
紙に書いた線は長さだけの世界で、写真や絵は 縦と横の世界。
そして、メロンや家や山は縦と横と高さのある世界だよね。
僕達の体もそうだよね。
今年の身体検査の身長は、去年の身体検査の身長より高くなっているよね。

あれっ、去年と今年の身長はどうして変ったのかなぁ?
たくさんご飯を食べて、たくさん運動をしたからかな?
だけれど、今年の身体検査は去年の身体検査から1年たったよね。
だから1年たったから身長が高くなったのもあるんだよ。

去年と今年の間の1年間が時間なんだ。
そう、昨日と今日の間の1日も時間なんだよ。
だけれど、時間は進むだけで後戻りしないんだ。

『だれが、そう決めたのかなぁ。本当にそうなのかなぁ?』
『時間が後戻りして昔に戻れるとしたら、何が楽しいかなぁ。
その時でないと分からないよね。』
『よしっ、僕が時間を探しに行こう、時間を見つけに行こう。』僕はそう決めた。
『どこへ行くと見えるのかなぁ。時間はどんな形をしているのかなぁ。』

僕は、昨日と今日の境目は夜の12時なので、眠くてもがまんして起きていて、家の中で何が変わるのか、部屋中を見ていた。
だけれど、僕は寝てしまって、何が変わったのか分らなかった。

『残念だなぁ。今晩、もう一度12時まで起きていて、何が変わるのか見てみよう。』
そして、12時まで起きていたけれど、家の中は何も変わらなかった。

『家の中には、時間が変わるのは時計だけだなぁ。』
だけれど、12時まで家の外にいる事ができないので、他を探す事にした。


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