カタツムリの富士登山(5)

2016-08-23 21:11:53 | 童話
『ランランラン、ランランラン。』
『ピッピピピ、ピッピピピ。』
『寒くなってきたね。高い所は、山のふもとよりずっと寒いだね。』
『僕もこれ以上高い所へ登って行くと、他のトンボに会えなくなってしまうので、僕も山のふもとへ下りていくね。カタツムリ君も気を付けてね。』
『僕はまだ登っていくね。ここまで一緒に登ってきてくれてありがとう。僕が下りて来たら、また一緒に下りようね、バイバイ。』
『うん、カタツムリ君、気を付けてね、バイバ~イ。』

そして、ここからは僕だけで頂上を目指して登って行きました。
チョウチョさんもトンボ君もいないので、注意して登って行きました。

『う~、寒い。風が吹くと急に寒くなるなぁ。』
僕は、お父さんの言った
『寒くなったら、背中の家から出たら絶対ダメだよ。』
を思い出した。
『よしっ、今の内に風のこない温かい場所を探そう。』

丈夫な岩の、風のこない場所を探した。
『あっ、ここは丈夫だし、穴もあまり大きく無くて、風が入ってこないや。』
僕が穴の中に入ると、コケが生えていて温かく、コケはお水をもっているので、僕の体も乾燥しないみたいだ。

『よしっ、ここに決めた。僕は温かくなるまでここにいよう。
『コケさん、春まで一緒にいようね。』

そして、僕は穴の外のお水をタップリ飲んで、僕の家に入って寝た。
『温かいなあ。』
そして、僕は暖かくなるまで寝ていました。


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