虹の階段(1)

2016-09-05 21:13:08 | 童話
2学期の終りの日、僕は通信簿をもらって学校を出て、友達と一緒に家に帰っていた。
空には入道雲がいっぱい出ていて、その中の一番大きな入道雲が、もくもくと大きくなり空が暗くなった。
ピカッと稲妻が光り、ゴロゴロと雷の音がして、大粒の雨が降ってきだした。
『すみません、少し雨宿りをさせて下さい。』
『ああ、いいよ。』
僕と友達は近くの文房具屋さんで雨宿りをさせてもらった。

雨宿りをさせてもらっている間に、僕達はいろいろな文房具を見せてもらった。
コンパスはバレリーナが片足で立ってクルクルと回っているみたいだなぁ。

それと、分度器はおまんじゅうを半分に切ったみたいでおいしそうだし、四角いエンピツは体育で使う平均台みたいだ。エンピツの平均台はハツカネズミなら渡れるかな?

消しゴムは、少し硬くて、少し柔らかくて、体育館に有るマットみたいだ。
ノートブックはお布団みたいで、間に入ったら寝られるかな?

こうして文房具を見せてもらっていたら雨がやんだ。僕達は文房具屋さんに
『ありがとうございました。』
とお礼を言って外に出て空を見上げると大きくきれいな虹がでていた。

虹は僕達の家の方角なので虹に向って歩いて行った。
しばらくすると虹の所に着いた。
僕の服と友達の服がキラキラと光っているのに気が付いて、友達に教えてあげると友達も気が付いていた。

そして、友達は虹の中に入った。中は全てがキラキラと光っていて、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、紫色の7つの階段が有った。
『この階段を上がって行くと、どこへ行くのかなぁ?』
『そうだねぇ、どこへ行くのかなぁ?』
『僕は橙色の階段を上がってみるよ。』
『じゃ、僕は緑色の階段を上がってみるね。』

僕達はキラキラと光っている中を上がって行き、途中で違う色の階段を上がって行った。
階段を上がって行くと、クルクルと回っているバレリーナと会った。
そして、テーブルの上には半分に切ったおまんじゅうが置いて有った。


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