アリの小さな魔法使い(3)

2016-09-02 21:19:25 | 童話
そして、魔法使いのみんなが集まったら会議が始まり、今年生まれたアリの数や、今年集めたエサの量などが報告されるんだ。

そのあとで、来年の計画を考えるんだけれど、来年のアリの数を予測して、みんなに必要なエサの量を考えて、そのエサの見つけ方や、エサを運ぶ方法を相談するんだよ。
だから、計算するのが大変なんだ。
そうしないと、たくさんのアリが生きて行けないからね。

来年の計画ができると、僕達魔法使いは葉っぱに乗って、元いた所へ帰って行くんだ。
そう、遠くから集まって来た魔法使いは、魔法が切れたら、一度地面に下りてから、また魔法で飛んで帰るんだ。

そして、温かくなってきたら、僕達魔法使いがまた集まり、生まれたばかりのアリの先生をするんだ。
前からいるアリはエサ集めに忙しいので、僕達魔法使いが先生になって、いろいろと教えるんだよ。

アリ地獄のように危険な生き物や、水たまりの様に危険な場所などを教えるんだよ。
巣の外は危ないからね。だけれど、人間は大きくて、歩いたり、走ったりするのが早いので、人間に踏まれないようにするのは難しいんだ。

だから、人間に踏まれそうになった時は、僕達魔法使いが、人間が転ぶようにしているんだ。

それからね、大きなエサの運び方なんかも教えるんだけれど、たくさんのアリが、みんなで協力してエサを持たないといけないので、みんながエサのどこを持つのかをみんなで考えるんだ。
魔法使いはね、その決める方法を教えるんだよ。

そして、普通のアリは、僕達魔法使いの決めたエサの見つけ方や、エサを運ぶ方法を、みんなでやるんだよ。
僕達アリは、みんな仲が良いので、全員でやるんだ。
そして、ケガをしそうになった時は、僕みたいな魔法使いが、ケガをしないように、いつもみているんだ。
君達のお父さんやお母さんも、君達のことを、ちゃんとみているんだよ。
だから、僕達魔法使いは忙しいんだ。

あ~、忙しい、忙しい。

おしまい


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