アリの小さな魔法使い(2)

2016-09-01 21:31:35 | 童話
だから、僕達アリが行列を作って歩いている時に、出かけるアリと帰って来るアリとが、頭でコッツンコをしているよね。
あれはね、出かけるアリが帰って来るアリに、魔法使いの僕がどこにいるのか教えてあげているんだよ。
僕の魔法が必要になった時に、僕のいる所を知らないと困るからなんだよ。

えっ、僕のような魔法使いは僕だけかい、だって?
僕達アリは体が小さいので、魔法も小さくて遠くまで届かないから、僕みたいな魔法使いはたくさんいるんだよ。

毎日働いていたアリ達が、冬になって巣穴でじっとしている間に、僕のようなアリの魔法使いが集まって会議をするんだよ。
そうだよ、遠くからも、みんな魔法を使って飛んでくるんだ。
えっ、どうやって飛んでくるのかだって。
僕達アリは、人間の魔法使いのように、空飛ぶホウキや空飛ぶジュータンは持っていないので、木の葉っぱに乗って飛んでくるんだ。
寒い時に、木の葉っぱがいっぱい飛んでいるでしょ。
全部の葉っぱに、僕達アリの魔法使いが乗っているんだよ。

そうそう、遠くから集まってくる時は、魔法が遠くまで届かないので、魔法が切れた時は、一度地面に下りてから、また魔法で飛んでくるんだ。

だから、葉っぱは高くまで上がったり、地面に落ちてきたりしながら遠くへ飛んでいるんだ。


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