山の上のロックの永~い旅(1)

2016-02-07 21:19:48 | 童話
僕は今、お姉ちゃんや弟とお父さんとお母さんにくっついて、山の上に居る。

ここは見晴らしが良くて気に入っている。

雪が溶け、チョウチョや蜜蜂がお花の蜜を探して飛び、小さな植物が実を付け、そして、次の年また雪が降る。

この自然の繰り返しが心地よいのだ。

雪の時はブルブルッと震え、春風にホンワカ、ホンワカ。

雷にはビックリするけれど、夕立のシャワーは気持ちいい。

秋になると小さな木の実が一杯で、動物たちは満腹満腹。

みんなでここに居て何年になるのかなぁ。
百年かなぁ、千年かなぁ 、余り永い年月なので忘れてしまった。

僕達兄弟は、お父さんお母さんにくっ付いて暮らしていたが、永い年月が経って、雨と雪で少しずつ隙間が広がってきた。
お父さんが、僕たち兄弟に
『いつでも自分で行動できるようにしていなさい。』
と言った。


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