オストメイトで山賊と海賊・・・銀座のコテコテ周旋屋のよもやま話

去年は100の山を愛し、今年は108の山に恋をする。
夏は太平洋の大波で泳ぎ続け、日本の自然を愛して66年。

シモツケソウの傍らで、ひと休み

2019-04-20 09:58:51 | オストメイト

 

 アカバナシモツケソウ、1000mを超えた山稜でゼ~ゼ~言ってる時、ときどき出会う花だ。

 高山植物には女王だの淑女だのと言われる花々はあるけんども、勝手に言ってりゃ~いいことで、俺が一番に好きな花はこれだ。

 厳しい四季に色濃く染まって、ほんの短いあいだの線香花火、そんな華奢で可憐な姿をしている。

 この季節は小蠅や小虫や爬虫類も多くなってるが、みんな生きて春を喜んでると想えばこそ、山を降りて来て髪の毛やザックや服にくっ付いておっても、鼻をかんで小蠅が出て来ても、ま~ま~愉しいことではある。

 

 オストメイト(人工肛門)でも山に登れるよ! 海でも泳いで潜れるよ! スキーもスノボも出来るよ!

 こういう台詞はいろいろあるが、具体的にどういう風な仕掛けで、どういう姿で、どういう装備で、どういう状況でやるのかという話になると、ナニも無い。

 聞きかじりの、受け売りの、又聞きの精神論ばかりでは、行動は出来ない。

 いつも腹部に付けているパウチだって、海外のメーカーが良いと言えども、その生産工場や生産時期によって商品の仕上がりにムラがある。

 不良品だってある訳で、そんなのを付けて山や海で遊んでるとエライ目に遭うわけさ。

 だからいつも2ケースづつ買ってはすべてをチェックして、一個一個の換気フィルターを封鎖してからでないと俺は使わないし、不良品があればメーカーに電話して苦情も言って交換してもらってる。

 ・・・山の中で、海の沖で、アクシデントが起きたらどうするんだ? 誰が責任をとるんだ? そういうこと。

 オストメイト(人工肛門)になる手術自体は失敗が少なくなってるが、その後のケアは 大丈夫! と言うだけで、ナニが起きるのかなどの説明はぜんぜん無い。

 ちゃんと介護や看護や相談室もあるから・・・外科医は簡単に言うが、いろいろ話してるとあんたナニも知らないじゃ~ないのか? そういうことも多い。

 俺の場合は周旋屋の仕事いがいの動きの方が多彩で広範囲になっておって、その全部を健常者とおなじようにこなしたいと考えておるから、とんでもないトラブルや失敗は数えきれないほどにある。

 山に登るといっても、どこの馬の骨が言ったのか知らない百名山だとか、山小屋やトイレのある富士山やアルプスの有名な山ならば良いが、そんなのはとうの昔に飽きてしまって、人のいない2000m前後の山ばかり歩いて登ってる訳だから、アクシデントは数えきれないほどある。

 最初からこうしておけばナンと言うことも無かったのに・・・そういう初歩的なトラブルも多かった。

 海で泳ぐたって、太平洋の荒波のなかで沖まで泳ぎ出てる訳で、危険がつねに傍にある状態で泳いでることは多いから、これまたアクシデントは数えきれないほどにある。

 どんどん行動して行くタイプのオヤジは、講演会や会合などに呼ばれても、そんな時間があれば山や海で遊んでるほうを選ぶから、どんどん独創的なオストメイトになっているだろう。

 大病院やWOCでたまに話すことはあっても、どうにも理解の度合いが違い過ぎて、あんたらは本当にオストメイトを理解出来ているのか? そんな拍子抜けするような話が日常になってしまってる。

 これが我が国でのオストメイトの現状だ。

 ひで~後進国だと言って良い。

 途上国と言えば聞こえは良いが、ではその為にナニをやってるのか? となると明確な行動などナニも無い。

 オストメイト・トイレを作ってやってんだから満足しろよ! そんな感じだ。

 オストメイトがトイレでナニをするのか? 便座が普通のサイズではなんの意味も無い。

 どいつもこいつも、哀れな提灯だ。

 で、俺のようなオストメイトは業界メーカーや協会や団体の閉鎖的でイジイジ陰湿な連中は無視を決め込んで、知らないことになってしまうのが、今の日本の現状だろう。

 ここは、おおいに笑って良いとこだ。

 

 さ、長期休暇の前後は、善良なる庶民の皆様がたの群れはジッとしているから、とっとと山にさ登ってくるべよ。


筋肉を付けても、骨の弱い現代人

2019-04-15 09:57:56 | オストメイト

 

 ・・・こんちわ~

 ブローカーだろう、50代のガタイの良いオヤジがダブルのスーツを着込んでしわがれた大声でやってきた。

 ・・・土地の売買とか、やっておられますかね?

 山で拾ってきた型の良い鹿の角をゴシゴシ研いでるとこだった。

 ・・・地上げが商売だが?・・・角の尖った先をそいつに向けて擦りながら答えてやった。

 時代遅れのガラの悪いオヤジは、いつでも山に登れる姿で、もっとガラの悪い日焼けした白髪角刈りオヤジに睨まれると、急に視線を落として・・・両国に良い土地があるんですが、ちょっと遠いですよね・・・と、そそくさと退散していった。

 朝から、笑わせやがる。

 

 長く子供らを育ててきてると、われわれの世代から下の世代の骨や筋については、あちこちで喋ってることだけんども、いまの人間は筋肉ばかりつけて外見は勇ましい肉体になってはおっても、それを纏っている骨や筋が退化して、年中あちこちでポキポキ骨折を繰り返している様は、笑ってしまうことではある。

 俺の育てた子供らはみなスポーツをずっとやっておるけんども、一度も骨折などしたこともない。

 大きな衝撃を身体に受けても、関節を傷めるくらいに骨は強い。

 それがこの頃の子供らになるともっと弱くなってる。

 相変わらず俺の育ててるガキは強いまんまだが、まわりではポキポキよく折れている。

 なにが違うのか? カルシウムか? いやいや生まれたら山や海で遊んで連れ回してるだけのことだ。

 一番小さいガキなんて5歳で悪天候の谷川岳に登っている。

 10歳では太平洋の荒波の中で1時間は遠泳できるようになってる。

 みな生まれてから延々と、大自然の中で遊び連れ歩いて見せてやって、叩き込んできてる。

 怒鳴っては抱き締めて、怒鳴っては抱き締めて、その繰り返しだ。

 俺がなんでも出来るからこそ、子供らは安心して集中できる。

 そういう大人が少なくなってしまっては、育つ子供らは哀れなもんさ。

 ガタイだけは大きくなっても、ポキポキ折れてばかりじゃ~、ハリボテの虎だ。

 10歳までだぜ、心や身体の基礎をつくりあげるのは・・・。


紅白に咲く、桃の花もある・・・

2019-04-08 09:50:17 | オストメイト

 

 

 桜は山の桜がキレイ、それよりも今の時期は桃の花だろう。

 赤・白・桃色、1本の木に紅白の花を咲き分ける素敵な桃の花もあるくらいで、梅の次は桃だろう。

 桜なんざ街中にいくらでも阿呆みたいにボコボコ咲いている。

 ・・・ということで、里山を歩き登ってきた。

 薄いシャツ1枚で、いつもの重いザックを担いで歩いてると、汗が噴き出てきてた。

 陽に焼けたようだ。

 紅白の花を咲き分けるのは源平桃とも言うが、お洒落な桃の花だ。

 里山の頂上に辿りつくと、ひとりの女性が周囲の景色に魅入っておった。

 聞けば地元の同世代の女性で、瞳が潤んでおって良い女だった。

 ・・・あそこの斜面に3軒ある家の一番右の家がわたしの家なんですよ

 ・・・ほ~ほ~、桃の花だけでなくって、椿や桜やいろんな小花もたくさん咲いてて綺麗だね~!

 ・・・毎日ここで見てても見飽きないのよね~

 ・・・いや~、贅沢な眺めだ

 ・・・あちこちの山を登ってるともっと素敵な景色はいくらでもあるでしょう?

 ・・・いやいや、綺麗な景色に、良い女、こういう場所はなかなかないよ

 可愛らしく恥ずかしがって、眩しそうに下界を見下ろしてる横顔は、また優しい桃の花のようだった。

 

 そう、まだ生きておって、山を歩いてる。

 腹の患部の肉を焼き潰して、なんとか皮膚の方は出血はおさまってるが、腸のほうはどうなることやら。

 オストメイトになっても休むことなく動き回ってると、いろんな細かな支障が出て来るけんども、それも関係なしに生きて居る。

 

 日本の里山の歴史には、支配する側に都合の良い話ばかりが語り継がれ、教科書にまで載ってたりするが、そこでせっせと働き暮らす民の側の歴史というものはいつの時代も語られることもなく、風に舞う花びらのように里の谷を舞い、またなにごともなかったかのように陽が落ちて真っ暗な夜を迎えてる。

 豊潤で濃厚で血の匂いのする歴史は、人から人へと、言葉ではなく語り継がれているようでもある。


もうダメか、それともまだまだか

2019-04-01 11:47:41 | オストメイト

 

 こうぞ・みつまた・・・ほととぎす。

 

 腹に爆弾を抱えて生きてるのも、悪くない。

 

 山用の俺のアルファードを、息子のひとりが彼女と同棲するので引っ越すから、貸してくれと言われて2週間、奪われておったのがやっと戻ってきた。

 家を借りるのに連帯保証人になってくれと言われ、そもそも自分の親の借金まで肩代わりして完済してやってる俺の生き方を解ってるのか?とは思ったが、仕方ない、我が子ならばと無借金・負債無しのキレイなところを見せてやった。

 そのお礼にと、二人が挨拶にくるというので、一緒にご飯を馳走してきた。

 ここんとこ腸の調子がすこぶる悪いまんまで、消化の良いものしか食べてなかったのが、若い連中に合わせてやっていろいろ食べてしまってた。

 緊張してる二人を笑い、結局は俺が楽しい会話をたくさんしてやることになる。

 酒を飲ませはするが俺は飲まず、それでも一番喧しいのは俺、若い頃からどんなに飲んでもそれは変わらない。

 飲んでも飲まなくとも、ナニも変わらない。

 だから腸のためにと飲まずに居た。

 酒は女・子供のお菓子みたいなもんだと思うようになってる。

 

 新しい年の名前が令和なんだそうな。

 入れ歯の口では言い難い発音フレーズだが・・・。

 ただそれだけのことに、メディアは国民を煽るだけ煽るんだろう。

 書類のやり替えやら、なるべく西暦で商売やってても、メンドウだけが増える。

 

 さて、桜の下でそんな阿呆みたいに狂ってる日本人を見たくはないが、目に入ってしまう。

 仕事は一段落していて、今週は検査もあるが、万が一にも入院となっても良いように動いている。

 登山靴はいつも3足を履き替えているが、ボロボロ修理が効かなくなるまで履き潰し、それでまた買い替えるという感じだけど、俺の身体は履き替える訳にもいかず、そろそろ修理も利かなくなっている。

 どうすんべ~。

 のんびり考えるさ。

 病院ではなく、山に登るのもいい塩梅。


雪山より、都会の方がおっかない

2019-03-25 13:16:31 | オストメイト

 

 銀座の店から神田までなら歩いて40分くらいだからよく歩くけんども、土曜は雨が降りそうだったから自転車でとっとこ仕事に向かったら、京橋から日本橋渡る頃には怒鳴ってばかり、喧しい爺ィになっておった。

 平坦な道でも真っすぐに歩けない日本人、ふらふらユラユラ、携帯眺めながら急に止まったり、いきなり後ろも見ずに曲がったり、自転車で追い越そうとすると必ず邪魔な進路に入ってきて、俺に怒鳴られてギョッとしてる。

 運動神経以前の話、注意不足、緊張感無し、自分の世界だけで生きて居る、間抜けな国民ばかりになってる。

 こちとら現役の山馬鹿だから、いまだに自転車だけでなく自動二輪にも乗ってるから、研ぎ澄まされたバランス感覚で・・・と思っておったら、細いヒモで囲ってあった空き地を横切ろうとして、ヒモが見えずに自転車ごと突っ込んでしまい、エライ目に遭った。

 視力は衰えてる。

 土産にもらった桜餅と煎餅が自転車のカゴから吹っ飛んで、仕方ないから食べながら戻ったもんさ。

 古い顧客の皆さまや、同業自営の諸先輩連中が、皆さまどうしようもない爺ィや婆ァになられておるから、どこに行っても・・・貰いモノだけど一つどうぞ!! ということで、多いときには詰め合わせが一つ出来上がる。

 いただいても、腹の足しにするくらいで、はっきり言ってどうということもない。

 もう人間社会の感動が失せてしまってるのかも知れないと、鼻をかみながら今朝もはよから独り思案。

 

 ・・・雪山は遭難しそうだから歩かない・・・

 ・・・都会で起こる交通事故の確率の方が高いんじゃ~ないの?

 ・・・海はサメがいて怖いから泳がない・・・

 ・・・携帯の情報を盗まれて暮らしてるほうがよほど怖いんじゃ~ないの?

 オジサンは、雪山を歩いてるほうが安心だし、海で遠泳してるほうが幸せだな。

 

 ベトナム戦争を他人事のように語っている若者がおって・・・お前さんらはな、いまでもこの日本のあちこちの国有地の森林に、ベトナム戦争で使い残った枯れ葉剤が埋められたまんまになってることを知ってるのか? 

 偉そうな大企業グループが作って居った訳だが?

 戦後の公害訴訟を知っておるのか? 俺のガキの頃には奇形児や早死にしていった赤ん坊や子供は多かった。

 その原因となった企業も、いまや大企業となって国民を使い捨ての奴隷にして、ナニゴトも無かったかのように笑って威張って居るわけだ。

 そのグループ企業は・・・福利厚生がとても良いのよ!! と、就職先として大人気なんだそうな。

 阿呆や間抜けはすでに魂から売り払ってしまってるから、どうでも良い話なんだそうな。

 そんな連中が仕事で・・・論理的矛盾があります! ・・・と言われてもね~・・・オジサン困っちゃうよ。

 

 コンビニで売ってる価値観を買ってきて、それで偉そうに自分の意見だと言われてもね~、セブンかファミマかローソンの違いだけで、なんの感慨も湧いては来ない。

 もっとオモシロイ、愉しい意見は無いのか??