異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

民主主義の最前線:This is what democracy looks like! SASPL!!

2014-12-11 06:57:43 | シェアー

http://oshidori-makoken.com/?p=403より転載

民主主義の最前線:This is what democracy looks like! SASPL!!

 

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SASPL!!

 

 「終わってんなら、始めるぞってことです」

 

何を? 民主主義です!

去年の12月、特定秘密保護法案が通って、「民主主義が終わった…」と悲壮感が漂って。

でも終わったんならまた始めればいいじゃん!!!と集まった学生たち、

students against secret protection law で SASPL

特定秘密保護法に反対する学生有志の会ね!!

この記事もご参照。→SASPLの素顔&9日10日告知!!

12月9日、首相官邸前に集まった学生ちゃんたち、いろんな世代の元学生ちゃんたち!

超寒い中、19時から、なんと!24時まで! アクションが続きました。

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This is what democracy looks like!

 

 「今、民主主義はここに、路上にあるんです!」

時おりはさむスピーチには名言☆がちりばめられています。

知ること、勉強すること、考えること、そして話し合うこと、声を出すこと、動くこと。

ここに集まって、反対の声をあげること。

それこそが民主主義!!! と彼らは叫びます。

Don’t give up the fight!!

民主主義って何だ

民主主義ってこれだ

Tell me what democracy looks like!

This is what democracy looks like!

いろいろなコールがあるんだけど、

「子どもを守れ」「生活守れ」「憲法守れ」

こんなコールを言わないといけないなんてね★

でも、権利は与えられるものではなく、勝ち取るもの!!

黙って座ってるだけで、誰かが守ってくれるなんて、おバカちゃんは私たち卒業したのでーす☆

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☆素敵な言葉を抜粋☆

「僕たちは武力でなく言葉を武器にして、先人たちからの知識を盾にして戦いましょう」

「特定秘密保護法は知る権利を奪い、考えない国民をつくることだと思います。」

「今日明日で社会がよくなるなんて思っていません。でも黙っていたら何も変わりません」

「自由とは誰かに与えられるものでもなくそこにあるものでもありません。自ら掴み取っていくものです」

「私はこれから先も知ることをやめません、考えることをやめません、おかしいことをおかしいと言うことをやめません。自由でいることをやめません!」

「誰かが不都合な現実を変えてくれているのを待っているだけでは何も変わりません。私は戦争の被害者になることも加害者になることも拒否します。」

「俺だってそれなりに勉強してきてんだよ、文句あるやつはここに来て言えよ、それが俺の民主主義だよ!」

 「ここが日本の民主主義の最前線です!」

「特定秘密保護法案が通った去年より、1年たって、僕たちはずっとタフになっています!」

「俺たちは言い訳や負け惜しみをぐっとこらえて、今やるべきことをやるんだよ!ただ淡々とやるべきことをやりつづけるんだよ!」

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ツィキャス(動画)はこちら!ぜひ見て!

 

http://twitcasting.tv/makomelo/movie/123542821

→アクション始まり

http://twitcasting.tv/makomelo/movie/123547885

→4H。超オススメ!お暇なときに付けっぱなしにすると超アガル⤴よ!

http://twitcasting.tv/makomelo/movie/123625029

→ラスト! スピーカーの音量無くしていって地声になります。

 

 

ミキちゃんのスピーチ!

 

1人目のミキちゃんのスピーチは13分くらいから。

ぜひ、動画のミキちゃんもチェックしてください、そしてミキちゃんだけでなく、全部観たら超面白いよ☆

 http://twitcasting.tv/makomelo/movie/123547885

 

ミキちゃん!!!

ミキちゃん!!!

動画の切り出し間に合った!ミキちゃんのスピーチは下記!!

 <iframe class="iframeYoutube" src="http://www.youtube.com/embed/rQ2qO-6Lqp4" width="425" height="350"></iframe>

私は、ここに立つことを恐れていました。

いつだったか、思わず官邸前にかけつけたことがあります。

初めてのことで、衝動で動いた自分にわくわくしながら行ったけれど、

勢いに呑まれて、合流するのが怖くてただ、遠巻きに見ていました。

しばらくして引き返して、地下鉄に乗りました。

乗換の新宿駅、南口の改札は、官邸前の空気とは全く違っていました。

涙が出ました。

あんなに必死な人たちがいたのに、そんなこと起こってないみたいにみんな笑っていたから。

そして、自分自身に怒りを覚えました。何をのこのこ帰って来てるのかって。

怖いから、何か違うから、そうやって言い訳して、私の中に残るものは情けない自分への後悔だけでした。

そんな自分からは卒業したい。

そう思って、今日私は再びここへ来て立っています。

情けない私だけど、機会をもらいました。ちょっとだけ話を聞いてください。

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私は今まで政治家を買いかぶりすぎていました。

彼らは私たち国民のことを一番に考えてくれるものだと思っていたんです。

それは、小さい頃から、お父さんやお母さんが私にそうしてきてくれたように、ごく当たり前のことだと思っていたから。

だけどいつの頃からか、私は人を疑うことを知りました。

優しさや正しさだけでない、何か違う原動力で人が動くということを。

子どもだから、女の子だから、日本人だから、お金があるから許されること、でこることがあることを。

そして知りました。その言動力とは、みんなが心の中に持つ欲求であることを。

その先の目的は、キラキラした目標だったり、自分勝手な、怖いくらい強い野望だったりします。

そしてそれが、お父さんやお母さんにもあることを知りました。

友達や、先生、いつも笑顔の店員さんや、実態を感じられないテレビの中の人にも。

みんな、欲求を持った、怒りや悲しみ、喜びを感じる、私と同じ人なんだって気が付いた。

そしてそれは、政治家にもいえるってことが分かったのは、大学生になってからでした。

彼らは権力を持っているけれど、決して正しい選択ばかりをする人間ではないんだということを理解したんです。

そして彼らの欲求は、時にきれいに整えられて、正しいことのように見えることがあります。

日本では、どこに行ってもお店では笑顔で迎えられ、きれいで完璧なものに溢れています。

そうではない世界にはフタをして、見えないようにされている。

でも、本当は全部人が作ったものであり、またそれは不完全で、

その“不完全さ”を補い合って生きていくものが社会だと、私たち自身がその当事者であるんだと、

世界のあちこちを旅行しなくては、私は気が付くことができませんでした。

そして、法律や国そのものもまた、人が作ったものであり、

とても不完全であると知ったのは20歳になる年でした。

その年の3月、大地震が起こっておばあちゃんの家が水浸しになりました。

原発のことも、復興のことも、優しさと一方向の正しさだけでは語れない、

言葉や現実ばかりが世の中に溢れていました。

私はこのとき、社会で生きていくためには、自らが見出した正しさのもと、

一つ一つ自分で選択をしていかなくてはいけない、ということを知りました。

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一年後の夏、私はドイツに行きました。

8か月後帰ったら、日本は変わっていました。

震災のニュースはどんどん端に追いやられ、国民は政権を取り換えてまた安心しきっていたし、

誰もが、政治家にはお金以外の欲求はないと、また信じるようになっていた。

だけど、何度人を取り換えても、

『欲求の塊である人間』と向き合う覚悟を、私たちが持たなくては意味がない。

彼らも人だから、私利私欲のために動くということを、私たちはもう知っているはずです。

私たち自身が、そうであるように。

彼らは、権力者としての力とともに、人間らしく、野望を持ち合わせていただけなんです。

それを、野放しにしてきたのは私たちでした。

政治家は日々、自らの欲求や、自分の信じる正しさをぶつけ合う社会の中で生きているのに、

悔しいことに、私はその権利を自ら行使せず、社会に参加していませんでした。

毎日、新聞に目を通して、本を読み、知識を蓄えて自分で考える。

そして、人と対話し考えを深め、行動をする。

こうして、自分の信じる『正しいもの』を見出していく。

今、自分がやるべき闘いを日常に投影するとこういうことです。

でも、私の中のいろんな欲求に邪魔されて、これがなかなかできません。

自分の欲求との付き合い方を、私はまだ学んでいませんでした。

だから私は思いました。ただ、政治家に敵対することが趣旨ではないんだと。

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あきくんとみっつの真ん中に背後霊のように浮かび上がる丹下さんが!!

 

私は甘えていました。

政治は難しいと言いながら、政治家の言葉とちゃんと向き合ってこなかった。

大人たちはわかってくれないと。

反抗期の子どものように反発するばかりで、対話をしてこなかった。

批判されるのが怖くて、自らの声や言葉で、考えを主張してこなかった。

忙しさを理由にして、勉強することから逃げていた。

人々が闘い、勝ち取ってきた自由のもとに生かされていながら、自分では戦うことを放棄していた。

 

先生が言いました。

今、目の前にぶつかっている問題と向き合うことが一番大切で、難しいと。

でも、それを実現させている人を私はたくさん知っています。

ここにいる仲間や、学校の先生、旅で出会った人たちです。

彼らは、彼ら自身の正しさを見出して、また、それを追い求め続けています。

そして私に教えてくれました。

平和は勝手に歩いてはこないんだと。

それぞれの正義や欲求はぶつかり合うんだと。

だけど、民主主義とは、それぞれの正義や欲求をぶつけ合い、

私たち自身が考え、訴え、国を作り上げていくことそのものなんだと。

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若者や私にも、そこに参加する権利が与えられていることに今、私はとても感謝をしています。

ここで、宣言をします。

私はもう、二度と、ここに立つことを恐れません。

私は、私のなかで、学び考え、行動をし続けます。

忙しさをもう言い訳にせず、正しいと真実ものを追い求める努力を惜しみません。

残念ながら、あなたたちの求めている、思考を停止した国民にはならない。

私たちにも欲求や権利、尊重すべき意思があるんだと、

同じ人間なんだと、あなた方は理解するべきです。

そして私は、かつて先人たちが勝ち取り、今与えられている自由や、権利を、謳歌します。

またそれを、次の世代へと引き継いでいきます

そして私の見出した正しさのもと、

この自由や、権利を、脅かすであろう法律、特定秘密保護法に反対します。

 

 

SASPLは10日で終わるけど、次の始まり!

 

SASPLは10日も18時から首相官邸前に集まってアクションします。

詳細&SASPLのサイト!

そしてSASPLは解散するけど、まだまだ彼らの、そして私たちのアクションは続きます。

散らばったり集まったりしながら。それぞれで勉強して、考えて、動いて、声を出して。

そうそう、SASPLは特定秘密保護法だけじゃなくて、こんなこともやってるんですってよ!!

自由と民主主義のための学生緊急行動

Students Emergency Action for Liberal Democracy そう、 SEALDS!!

急いでSEALDSの詳細をクリック!!

 

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最後まで吠え続ける奥田あきくん。やっぱあきくんの写真多いな…私、泣き虫好きだし☆

 



【最速】SASPL サスプル 12月9日 官邸前抗議行動スピーチまとめ

2014-12-11 04:55:17 | ご案内

                「今日、施行されてから行動することに意味がある。恣意的な運用を抑え、廃止につなげていけると信じている」
                「この国の自由と民主主義をあけらめることはできない!

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NAVERまとめ

http://matome.naver.jp/odai/2141818892707460701より転載

12月9日のスピーチ動画があがっているのでまとめました!!


12/10(水)18:00~
国会議事堂前3番出口が最寄りです。

特定秘密保護法に反対する官邸前抗議
http://saspl1210.wix.com/students-against-spl




「辺野古に基地、認めない」 翁長氏、沖縄県知事に就任

2014-12-11 04:49:39 | シェアー

                                                                                                                                                                                                   byNagi Wind

http://digital.asahi.com/articles/ASGDB3DTSGDBTPOB003.htmlより転載

「辺野古に基地、認めない」 翁長氏、沖縄県知事に就任

山岸一生

2014年12月10日15時22分

写真・図版  写真・図版

                                  記者会見する翁長雄志・沖縄県知事=10日午前10時16分、沖縄県庁、上田幸一撮影

 先月の沖縄県知事選で初当選した翁長雄志・前那覇市長(64)が10日、知事に就任した。県庁に初登庁して記者会見した翁長氏は、米軍普天間飛行場宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題について、「安全保障は国民全体で考えてもらいたい。美しい海を埋め立てて辺野古の基地を造るのはやめてもらいたい」と述べ、改めて反対を訴えた。

 知事選は普天間問題が最大の争点となり、辺野古移設の阻止を掲げる翁長氏が、移設推進を訴える現職の仲井真弘多氏(75)に約10万票差をつける大差で当選した。

 午前9時に初登庁した翁長氏は、数百人の県職員や支援者に拍手で迎えられた。会見では「新辺野古基地の建設を、県政として認めるわけにはいかない」とした上で、普天間の移設先について「沖縄は基地を自ら提供したことはない。沖縄側が代替施設を考えるのは理不尽だ。ぜひ日本政府においてしっかり対応して頂きたい」と述べ、政府に方針転換を求めた。

 14日投開票の衆院選では、翁長氏を支えるグループが、県内全4選挙区で自民党前職4氏への対抗馬を立て、激戦となっている。翁長氏は「基地問題が沖縄では争点になる。全国的なもの(争点)になり得なかったのは残念だ」と述べた。

 副知事には安慶田光男(あげだみつお)・那覇市議長(66)と浦崎唯昭(うらさきいしょう)県議(71)を起用する。ともに自民党出身で翁長氏と関係が深い。行政経験者を置かず政治家で占めるのは極めて異例。(山岸一生)



秘密保護法が施行 外務・防衛 6万件指定

2014-12-11 04:45:21 | シェアー

東京新聞 TOKYO WEB

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014121090070316.htmlより転載

秘密保護法が施行 外務・防衛 6万件指定

2014年12月10日 07時03分


 国民の「知る権利」を侵す恐れのある特定秘密保護法は十日午前零時に施行された。国家安全保障会議(日本版NSC)や外務、防衛両省、警察庁など十九の行政機関が、特定秘密の指定や秘密を扱う公務員や民間業者への適性評価を始める。安全保障政策を担う外務、防衛両省の秘密指定は計約六万件に上る見通し。

 特定秘密は、国の安全などに関わる情報で、特に秘匿する必要があるとの理由で選別された現行の「特別管理秘密」(特管秘)を中心に最初は指定される。総数は昨年末時点で約四十七万件。特管秘以外や、新たに入手した安保関連情報なども特定秘密に追加され、際限なく増え続けていくことも懸念される。

 これまで職務上知り得た秘密を漏らした場合、国家公務員法の守秘義務違反(最高懲役一年)などの対象だったが、特定秘密の漏えいは最高懲役十年の厳罰が科される。秘密を知ろうとした側に対する最高懲役五年の罰則も設けられた。

 防衛省の指定対象は約四万五千件。自衛隊の作戦などに関する情報で「防衛秘密」として他の特管秘と区別され、法施行とともに特定秘密に移行したとみなされる。外務省は外国からの提供情報など約二万一千件を対象に、大部分を特定秘密にする方向で手続きを進める。特管秘全体では約九割が衛星情報という。

 適性評価は、特管秘を扱う資格者(約六万人)や防衛産業の関係者を中心に、犯罪歴や精神疾患、借金、家族の国籍を調査する質問票の提出を求める方法で、一年後までに順次進める。

◆広すぎる対象範囲

 特定秘密保護法の成立から一年。安倍政権は運用基準を策定し、監視機関を設置したが、国民の「知る権利」を侵害する懸念はほとんど払拭(ふっしょく)されていない。にもかかわらず、予定通り運用が始まる。運用基準などで懸念が消えないのは法の根幹が変わっていないからだ。

 特定秘密の対象は外交から警察関係まで幅広い。拡大解釈可能な表現が盛り込まれ、指定は政府側が都合よく行うことも可能。そんな秘密の漏えいを防ぐため、厳罰で臨む。秘密を知ろうとした市民や記者も、最高懲役五年の罰則対象となる。特定秘密は永久に指定され続ける恐れがある。

 政府によると、近年重大な情報漏えい事件は起きておらず、現状で罰則強化は必要ない。

 「知る権利」を守るため、厳重に管理するのは防衛や外交の重要な情報に限定するべきなのに、範囲が広すぎる。歴史の検証を受けるため、一定期間を経れば、必ず公開されるような制度もない。

 同法はあまりに問題点が多い。国民の不安の声を考えると、同法はやはり必要ないと言わざるを得ない。 (金杉貴雄)



投票日直前企画! 集団的自衛権めぐる安倍政権の嘘を「戦争の専門家」が指摘!

2014-12-11 04:23:22 | シェアー

LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

http://lite-ra.com/2014/12/post-696.htmlより転載

投票日直前企画! 集団的自衛権めぐる安倍政権の嘘を「戦争の専門家」が指摘!

2014.12.10
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『日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門』(朝日新聞出版)

 何が争点なのかわからないまま衆議院の解散・総選挙が強行された。案の定、選挙戦は盛り上がりを見せず、投票率も史上最低だった前回を下回る予想だ。おかげで各社の情勢調査は軒並み自民党が300議席を上回るというトンデモないことになっている。

 だが、選挙の結果が出る前にもう一度、考えてもらいたい問題がある。それは、選挙後、関連法案の審議が始まる集団的自衛権の問題だ。こんな重要な政策であるにもかかわらず、国民の多くはこの決定がどんな意味を持つのか、今後どういうことが起こりうるのか、ほとんど知らされていない。

 いや、集団的自衛権行使容認の意味をわかっていないのは国民だけではない。実はこの決定に加わった閣僚たちも、容認を答申した安全保障の専門家を自称する安保法制懇のメンバーも、驚くべきことに「集団的自衛権」はもちろん、「戦争」や「国際紛争」の本質すら理解していないのだ。

 そのことを、わかりやすく解説しているのが『日本人は人を殺しに行くのか〜戦場からの集団的自衛権入門』(朝日新聞出版)だ。著者の伊勢崎賢治氏は「紛争屋」を自認する大学教授だ。ある時は国連PKOの指揮官として、またある時は日本政府特別代表として、世界各地の紛争地帯に乗り込んで、武装解除や平和構築に携わった。米軍はもちろん、NATO軍の司令官や米CIA、米国務省幹部と対等に渡り合うことができる数少ない日本人だ。

 そんな、戦争も軍隊も知り尽くした(実際に武装勢力から何度も狙われたことがある)伊勢崎氏に言わせると、集団的自衛権行使を含む安倍政権の安全保障政策は、法治国家としての正しい振る舞いとはいえず、「姑息」で「非道」な行いだという。当然、国益を著しく毀損する行為でもある。

 おそらくそんなことは日本人の誰も考えたことがないだろう。伊勢崎氏は同書の冒頭で読者にこう問いかけている。

〈「集団的自衛権の行使を容認しないとアメリカは日本を助けてくれない」
「そのうち、中国、北朝鮮、韓国が日本に戦争を仕掛けてくる」
「国連PKOへの自衛隊派遣は世界の役に立っている」
「イラク戦争で自衛隊に戦死者は出ていない」
あなたはそう思っていないだろうか? でもこれが、「誰か」にとって都合のいいウソだったとしたら? 本当は集団的自衛権の行使容認なんて必要ないのに、「必要かもしれない」と思い込まされてるとしたら?〉

 そう、4つのクエスチョンは全部ウソだというのだ。

 問題は多岐に渡るが、まずは基本から見ていこう。安倍首相はなぜ、集団的自衛権の行使容認にこだわっているのか? 一般に説明されているのは、(1)今日いかなる国も一国のみで自国の安全保障をまっとうできない、(2)とくに日本を取り巻く国際情勢は風雲急を告げている、(3)だから、日米同盟のより一層の強化が必要で、(4)そのためには集団的自衛権行使容認が不可欠である――という論法だ。

 伊勢崎氏に言わせると、このロジック自体が真っ赤なウソということになるが、それ以上に問題なのが「アメリカとの双務性」という安倍首相のこだわりだ。

 

 安倍首相は2004年に『この国を守る決意』(扶桑社)という対談本を出版している。対談相手は元外務官僚で安保法制懇メンバーでもあった岡崎久彦氏だ。その中で、安倍首相はこう語っている。

「祖父の岸信介は、六〇年に安保を改定してアメリカの日本防衛義務というものを入れることによって日米安保を双務的なものにした。自分の時代には新たな責任があって、それは日米同盟を堂々たる双務性にしていくことだ」

 双務性とは、日本が攻撃を受けた時にアメリカに守ってもらうだけでは片務的で、その逆、つまりアメリカが攻撃を受けた時には日本がアメリカと同じように出ていかなければ、という考え方だ。その理由について安倍首相は同書でこうも言っている。

「軍事同盟というのは血の同盟であって、日本人も血を流さなければアメリカと対等な関係になれない」

 これについて、伊勢崎氏はこう喝破する。

〈この「血」というのは当然、ご自分の血ではなく「人」の血、自衛隊の「血」です。安倍首相が言う「双務性」が達成されるには、自衛隊に死者を出す必要があると言っているのです。〉(前掲書より)

 なんと安倍流の考えでは、自衛隊員が死んで「血の絆」をつくらなければ日米同盟は真の同盟になれないという。そんなバカな話はないだろう。実際、伊勢崎氏が接してきたアメリカやNATO加盟国の間には「血の絆」のようなウェットで曖昧な関係はまったく存在していない。“同盟”は限りなくプラグマティック(実利的)でドライなものだというのが、紛争の現場を知る者の常識だ。

 この安倍流「血の同盟」のきっかけになっているのが「湾岸戦争のトラウマ」だ。1991年にクウェートへ侵攻したイラクを叩くために始まったこの戦争で、日本は130億ドル(約1兆7000億円)もの資金協力をした。ところが戦後、当事国のクウェートが米ワシントンポスト紙に出した「世界の国々にありがとう」と題した全面広告に日本の名前がなかったのだ。

 これが、いくらカネを出しても人(自衛隊)を出さなければダメだという発想の原点になっている。安倍首相がこのトラウマに囚われているのは明らかで、自著『美しい国へ』(文藝春秋)でこう告白している。

〈このとき日本は、国際社会では、人的貢献ぬきにしては、とても評価などされないのだ、という現実を思い知ったのである。〉

「湾岸戦争のトラウマ」は、集団的自衛権に関する論議でも繰り返し使われた。だが、日本人には知らされていない事実がある。それは、日本が支出した約1兆7000億円のうち直接クウェートに払われたのはわずか数億円で、1兆円以上のカネはアメリカのために使われていたということだ。さらにそのこと、つまり湾岸戦争の戦費の大半は日本が負担したという事実を日本の外務省がクウェート側へきちんと説明していなかったというのである。

 これでは広告に名前が出ないのも無理はない。ところが日本の政治家たちは勘違いした(あるいは、意図的に)。一方、外務省にとってはことの経緯が表沙汰になると失点になる。だから「お金だけではダメだ」「汗をかけ」「自衛隊を出さなければ」というロジックにすり替えられていった。

 こうしたウソは2003年に始まったアメリカのイラク侵攻の時にもあった。アーミテージ米国務副長官(当時)が日本政府に対して協力を求めた言葉として伝わった「Show the flag」だ。

 日本政府と外務省はこれを「戦場に日本の旗を見せろ、アメリカに言われた」と喧伝し、自衛隊をイラクへ派遣する大きなきっかけとなった。ところが、後にアメリカのベーカー駐日大使が、「(自衛隊を出すかどうかは)日本側が決めること」で、アメリカが具体的な要請をしたつもりはないとの見解を示した。当のアーミテージも否定した。マスコミにこの話をリークしたのは、当時官房副長官だった安倍首相であり、そもそもこの話じたいが、捏造だったのではないかという疑惑もある。

 ところが、こんなマンガのような話を原点にスタートしたのが、日本の集団的自衛権論議の真相なのだ。

 安倍首相の外交・安全保障の師ともいえる前出の岡崎久彦氏は集団的自衛権行使の必要性について、2014年5月19日のハフィントンポストに掲載された長野智子編集主幹のインタビューにこう答えている。

「もう東アジアの安全保障というのがね、日中関係、米中関係なんてものではないんです。中国対日米同盟、このバランスで全部考えなきゃいけない。(中略)一番の問題は、日米同盟が危機にさらされた時ですよね。アメリカだけ、アメリカの第7艦隊がやられていて、日本が助けに行かなかったら、アメリカもう(同盟)やめたと、そうなる可能性はありますね、それが一番怖いですね」

 岡崎氏は安保法制懇の主要なメンバーだった。要は、アメリカの戦争に加担しなければ日本が見捨てられるという発想だ。だが、現実の同盟は安倍首相や岡崎氏が考えるようなウェットなものではない。世界の安全保障の常識に立てば、アメリカから日米同盟を解消することは近未来においても絶対にありえない、と伊勢崎氏は断言する。

 まぁ、伊勢崎氏でなくても普通に考えれば誰でもわかりそうなことなのだが、まず、金銭的な貢献が半端ではない。日本政府は在日米軍駐留費の大部分を負担している。こんな国は、他のアメリカの同盟国(米軍基地受け入れ国)ではひとつもない。ザッというとアメリカが全世界に展開する在外米軍駐留費の総額の実に4分の1を日本一国で賄っているという計算もある。

 また、世界の5分の1を担当する世界最大の艦隊、米海軍第7艦隊が事実上、横須賀と佐世保を母港としているのをはじめ、在日米軍の担当範囲は非常に広く、アメリカが関与する紛争多発地帯をほぼ網羅している。加えて、燃料や爆弾の貯蔵においても、日本はアメリカ国外で最大の保管庫になっている。さらに言えば、日本の官僚機構と歴代自民党政権はアメリカに対して極めて従順で、日米地位協定や制空権の問題など、在日米軍基地運用のためなら自らの主権さえ差し出す国だ。そんな都合のいい同盟相手を「汗をかかない」「自衛隊を戦場に出さない」といった程度の理由で手放すわけがないのである。

「日本を取り巻く環境が激変した」というのも集団的自衛権論議でよく言われる。具体的には北朝鮮や中国の脅威を想定しての言葉だろう。では、実際に北朝鮮や中国が日本に戦争を仕掛けることはあるのか? 結論を言うと、ありえない。理由は極めて簡単で、日本に大きな米軍基地がある以上、日本を攻撃するということは(世界の軍事の常識では)アメリカに宣戦布告するのと同じだからだ。アメリカへの攻撃は核戦争の始まりを意味している。もしやるとしたら自滅行為に等しい。

 もちろん、北朝鮮が日本海に向かってミサイルを撃ったり、中国が領海侵犯を繰り返すというのは今後もあるだろう。しかし、これがやがて進展して、人が住む“本土”に侵攻してくるなどというのはありえない。なぜなら、軍隊を持つ国の「戦争計画」は極めて実利的な判断のもとにつくられるからだ。

 

 伊勢崎氏は、“もし、あり得るとしたら”の例として、日本共産党が政権をとり、それに反対する勢力との内戦が起き、危機に瀕した日本共産党が中国に助けを求める……というシナリオを挙げている。果たしてそんなことが現実に起きるだろうか?

 安倍政権は、こんなありもしないことを前提として集団的自衛権行使容認を進めているということを、国民・有権者はもっと自覚するべきだろう。

 その結果、何が起きるかというと、我々の税金が人殺しのために使われ、自衛隊が人を殺し、自衛隊員に死者が出るという世界に突入することになる。しかし、実態を知らされていない我々国民はもちろん、安倍政権にもその「自覚」も「覚悟」もない。

 伊勢崎氏の前掲書によると、安倍政権が打ち出した「集団的自衛権の15事例」は、現実味が薄かったり、荒唐無稽なものであったりすることには目をつむっても、どれひとつとして集団的自衛権の行使容認をすべき理由になるものが含まれていないという。これは驚くべきことだ。

 安保法制懇も安倍政権の閣僚も、そんな幼稚なレベルの認識で日本の将来を揺るがすことになる集団的自衛権行使容認を決めてしまったわけだ。

 2003年のアメリカのイラク侵攻によるイラク人の死者は死体が確認できただけで10万人を優に超えた。実際にはこれをはるかに上回る数で、大量虐殺といってもいい規模だった。アメリカが当初、イラク侵攻の理由としていた大量破壊兵器の存在やアルカイダとの関係もまったくのウソだったことが後に明らかになった。イラク人10万人は理由なく殺されたのだ。

 当のアメリカ国民は2006年の中間選挙で共和党の敗北という民意を示し、ブッシュ政権の責任を追及した。かたや日本では、そんな戦争に加担したことへの反省も検証もない。戦争の大義は間違っていたが、日本がブッシュ政権を支持したことは“国益”に適っていた。すべては当時、挑発行為を繰り返していた北朝鮮対策のためだった(アメリカの戦争に加担すれば、アメリカが北朝鮮の脅威から日本を守ってくれる)、と総括された。

 しかし、イラクの民の命は日本の北朝鮮問題とはいっさい関係ない。日本の目先の国防に利する(これもまったくの勘違いなのだが)からといって、それを日本から遠く離れた異郷の民(イラクの人々)の血と引き換えに購っていいのかどうか。伊勢崎氏は怒りを込めて、こう記す。

〈はっきり言いましょう。これは「非道」な行いです。
どんなに「国益のため」、「愛国のため」と謳おうとも、「非道」な行いであることは明らかです。そして、現在の安倍政権の「集団的自衛権容認」のロジックも、これとまったく同じものなのです。〉(前掲書より)

 安倍政権の無自覚な暴走をいま止めなければならない理由がここにある。前出、伊勢崎氏の著書には「では、日本はどうするべきか」、どうすれば国際社会において確たる地位を築き、国益に資するか、についても詳細で具体的な論考がある。興味のある方には一読をお勧めしたい。
(野尻民夫)