新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

新潟の野鳥 ノスリ 淡褐色型(大陸型)・成鳥

2020-12-12 07:22:55 | タカ科
ノスリ 学名・Buteo buteo 英名・Common Buzzard

 亜種・ノスリ 学名・Buteo buteo japonicus

 今春(2020.04.17),白っぽいノスリの幼鳥と出会い,「ノスリ 淡褐色型・幼鳥? その1」をはじめに4回に分けて投稿しました.

 以下は,その1の記事の一部を再掲載します.

   『ワシタカ・ハヤブサ識別図鑑』(真木広造・2012・平凡社)に,「大陸型幼鳥」として同じ特徴を持つ画像がありました.

   ノスリ(Buteo buteo)は,広い分布域を持ち,多くの亜種に分けられています.

   日本で普通に見られるノスリは,亜種・ノスリ(Buteo buteo japonicus)です.

   亜種・ノスリは,日本以外に中央・南シベリア,モンゴル,中国,朝鮮半島に分布しています.

   そこで中国の文献に当たってみました.

   中国に生息する亜種・ノスリ(Buteo buteo japonicus)には,褐色型(普通型),淡褐色型,暗褐色型があるのがわかりました.

   淡褐色型は,褐色型に似ていますが,褐色型と比べて上面の褐色が薄く,羽縁が少し淡褐色です.

   頭頂から後頸の羽には,白っぽい淡褐色羽縁があり縦斑状を呈します.

   頬,喉および下面は白っぽい淡褐色で,淡褐色の斑紋があります.

   尾羽の上面は,淡褐色で暗褐色の横斑があります.

   どうもこの個体は,中国から渡ってきた亜種・ノスリの淡褐色型のようです.

 中国には,褐色型(普通型),淡褐色型,暗褐色型が生息するのですから,淡褐色型を大陸型と呼ぶのは適さないようです.

 しかし,ここでは便宜上,淡褐色型を大陸型とさせていただきます.

 ここから,ようやく本題に入ります.

 淡褐色型(大陸型)・幼鳥の記事を書いている時に,以前,まったく同じ場所で白っぽいノスリの成鳥と出会ったことを思い出しました.

 そのノスリは,ほかのノスリよりも大きいと感じたことも思い出したのです.

 この場所では,ケアシノスリの幼鳥とも会ったことがあり,ノスリにとって良い狩場のようです.

 今回,ようやくその白っぽいノスリを10年ほど前の画像の中から掘り出すことができました.

 国内型と比較すると,頭から背にかけて淡褐色で,白っぽく見えます.

 特に下面,脇腹の白さが目立ちます.

 出会った当初は,一瞬,オオノスリかとも思ったのですが,結局,「変なノスリ」に落ち着いたのでした.

 今回,長年の疑問を解決し,「ノスリ 淡褐色型(大陸型・成鳥)」として,ご紹介します.

ノスリ 淡褐色型(大陸型)・成鳥
撮影日時 2010.04.05 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 淡褐色型(大陸型)・成鳥
撮影日時 2010.04.05 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 淡褐色型(大陸型)・成鳥
撮影日時 2010.04.05 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ (国内型)・成鳥 
撮影日時 2010.11.05 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ (国内型)成鳥 
撮影日時 2010.11.05 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 淡褐色型(大陸型)・幼鳥
撮影日時 2020.04.17 撮影場所 新潟県新潟市


ノスリ 淡褐色型(大陸型)・幼鳥
撮影日時 2020.04.17 撮影場所 新潟県新潟市