新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

粟島探鳥行2017春 総集編

2017-06-04 05:26:53 | 新潟の探鳥地
 粟島探鳥行2017春の総集編です.2017年5月8日から9日の記録です.

 行きのフェリーは,揺れに揺れ,久しぶりに船酔いを体験して船上からの探鳥を途中放棄してしまいました.

 島に着くと,鳥の姿が見当たりません.それでも,荷物を民宿に置くと挨拶もそこそこに鳥見に走ります.

 内浦の畑で,最初に出逢ったのがキマユホオジロでした.期待は,高まります.

 しかし,その後が続きませんでした.マミジロツメナガセキレイは,一度のチャンスを逃し,ようやく砂浜でタイワンハクセキレイと会うことができたのでした.

 2日目は,キマユムシクイを最大の目的に据えて牧平を目指しました.その結果は,「粟島探鳥行2017春 キマユムシクイ」で投稿したとおりの無惨さでした.

 牧平からの帰りに会えたのがヨーロッパビンズイでした.島で会ったバーダーから噂は聞いていたのですが,それまで半信半疑でした.

 会った瞬間,手が震えました.これが今回の探鳥行のクライマックスでした.そして,今回も女神の微笑みを背に感じながらのひとときでした.

キマユホオジロ
撮影日時 2017.05.08 撮影場所 新潟県・粟島


マミジロツメナガセキレイ
撮影日時 2017.05.08 撮影場所 新潟県・粟島


タイワンハクセキレイ
撮影日時 2017.05.08 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.09 撮影場所 新潟県・粟島


カワウ
撮影日時 2017.05.09 撮影場所 新潟県・粟島



 今年もお世話になった粟島・内浦の民宿「脇源」さんの8日の夕食です.鯛の塩焼き,鯛のお刺身,メバルの煮付け,栄螺の刺身,栄螺の壺焼き,海鼠の酢の物などなど.この上にお汁が付きました.とても食べきれないご馳走です.
 気さくなお父さん,お母さんが営む粟島・内浦の民宿「脇源」さんは,新潟のバーダーに大人気です.「脇源」さんの連絡先は,0254-55-2437です.鳥好きはもちろん,お魚料理好きにもお勧めです.



2016春(5月8日から5月9日)観察できた野鳥は次のとおりでした.下線のある野鳥は,それぞれ別個に投稿しました.
カルガモ,キジバト,オオミズナギドリ(粟島航路),ヒメウ,カワウ,ウミウ,アオサギ,ツツドリ,ジュウイチ,アマツバメ,コチドリ,ヤマシギ,キアシシギ,ウミネコ,ハチクマ,トビ,サンショウクイ,モズ,ハシボソガラス,ハシブトガラス,シジュウカラ,ツバメ,コシアカツバメ,ヒヨドリ,ウグイス,キマユムシクイ,エゾムシクイ,センダイムシクイ,メジロ,オオヨシキリ,ムクドリ,コムクドリ,クロツグミ,マミチャジナイ,シロハラ,アカハラ,ツグミ(亜種・ハチジョウツグミ,亜種・ツグミ),コルリ,キビタキ,オオルリ,イソヒヨドリ,スズメ,ツメナガセキレイ(亜種・マミジロツメナガセキレイ),キセキレイ,ハクセキレイ(亜種・タイワンハクセキレイ,亜種・ハクセキレイ),ヨーロッパビンズイ,ビンズイ,アトリ,カワラヒワ,シメ,イカル,ホオジロ,コホオアカキマユホオジロ,カシラダカ,アオジ(亜種・アオジ)

粟島探鳥行2017春 ヨーロッパビンズイ その2

2017-06-03 06:18:54 | セキレイ科
ヨーロッパビンズイ 学名・Anthus trivialis 英名・Tree Pipit

 今春,粟島で観察されたヨーロッパビンズイのその2です.

 2017年春の粟島探鳥行で,セキレイ科タヒバリ属とみられる小鳥を観察しました.検討した結果,ヨーロッパビンズイに間違いないだろうとの結論に至りました.

 日本で記録されているタヒバリ属は、大型のマミジロタヒバリとコマミジロタヒバリ,小型のマキバタヒバリ,ヨーロッパビンズイ,ビンズイ,セジロタヒバリ,ウスベニタヒバリ,ムネアカタヒバリ,タヒバリです.

 これまでの粟島探鳥行では,マミジロタヒバリ,ビンズイ,ムネアカタヒバリを観察,記録していますが,今回観察されたタヒバリ属の小鳥は,そのどれにも該当しない特徴を持っていました.

 この個体の後ろ足指の爪を見てください.爪は,短く,大きく湾曲しています.この爪の形は,ヨーロッパビンズイとビンズイだけに見られる特徴で,これによって他のタヒバリ属の可能性が除外されます.他のタヒバリ属の爪は,長く,または長めで湾曲が少ないのです.

 次に,顔の部分に注目してみましょう.ビンズイは,耳羽後部に明瞭な淡色班と暗色班がみられますが,この個体には,不明瞭な淡色班しかありません.ヨーロッパビンズイの耳羽後部には,ビンズイのような明瞭な暗色班はありません.
 ビンズイには,幅が広く上部に黒い縁取りのある白色の眉班がありますが,ヨーロッパビンズイは,眉班が不明瞭です.この個体は,ビンズイのような明瞭な眉班が見られません.

 さらに,翼の部分を見てみましょう.この個体は,初列風切の長さと三列風切の長さがほぼ同じです.ヨーロッパビンズイには,初列風切の突出が見られませんが,ビンズイは,初列風切が突出します.
 初列風切の突出とは,翼をたたんだときの初列風切と三列風切の長さの比較で,初列風切が三列風切よりも明らかに長く突き出て見えることをいいます.シギ・チドリ類,ヒバリ類,ムシクイ類,タヒバリ類など互いによく似た鳥たちの識別によく利用されます.同じように,初列風切の各羽の長さの比較,翼式も識別に利用されますが,野外では見分けることが難しそうです.今回は,翼式を利用できるほど鮮明な画像を得ることができなかったため,参考としたものの詳細な検討には用いませんでした.

 上面を見てください.この個体には,明瞭な褐色の縦班があります.ヨーロッパビンズイは,背が淡褐色で,褐色の縦班がありあります.ビンズイは,背が緑褐色で褐色の縦班がありますが,この個体ほど明瞭ではありません.

 次に,下面にも注目しましょう.ヨーロッパビンズイとビンズイは,ともに黒褐色の縦班を持っています.しかし,ヨーロッパビンズイの縦班は,ビンズイよりも細く,脇ではさらに細く不明瞭になります.ビンズイの縦班は,太く,脇でも明瞭です.この個体の縦班は,ヨーロッパビンズイの特徴と合致しています.

ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島 


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


ヨーロッパビンズイ
撮影日時 2017.05.10 撮影場所 新潟県・粟島


 浅学を顧みず,色々と書き連ねました.ご指摘等ございましたら,コメントいただけるとありがたいです.

チゴモズ 2017

2017-06-02 10:46:37 | モズ科
チゴモズ 学名・Lanius tigrinus 英名・Thick-billed Shrike

 2017年のチゴモズの初認は,5月20日でした.

 翌21日,枯れ木の天辺でなわばり宣言する雄を確認,26日にも同じ場所で雄を観察しました.

 26日には,低い松の林の中から,小さな声でグゼルように鳴く声を聞くこともできました.

 しかし,26日現在,雌の姿は確認されていません. 

チゴモズ 雄
撮影日時 2017.05.21 撮影場所 新潟県新潟市


チゴモズ 雄
撮影日時 2017.05.26 撮影場所 新潟県新潟市


チゴモズ 雄
撮影日時 2017.05.26 撮影場所 新潟県新潟市


チゴモズ 雄
撮影日時 2017.05.26 撮影場所 新潟県新潟市

カッコウ

2017-06-01 06:04:10 | カッコウ科
カッコウ 学名・Cuculus canorus 英名・Common Cuckoo

 枯れた松の梢でカッコウが鳴いていました.この場所でカッコウの姿を見,声を聞くのは久しぶりです.

 喜ばしいはずなのですが,心の内は複雑な思いでざわついていました.

 この直前,チゴモズの鳴き声と姿を確認していたからです. 

 カッコウは,チゴモズなどに「托卵」します.

 以前,求愛給餌で愛を深めはじめたチゴモズのペアを観察したことがありました.

 しかし,このペアは,カッコウの執拗なつきまといを受け,繁殖の途中で姿を消してしまったのです.

 それ以来,この場所でチゴモズの繁殖がみられなくなりました.

 これから,両者の間でどのような争いが繰り広げられるのでしょうか.

カッコウ
撮影日時 2017.05.20 撮影場所 新潟県新潟市


カッコウ
撮影日時 2017.05.20 撮影場所 新潟県新潟市


カッコウ
撮影日時 2017.05.20 撮影場所 新潟県新潟市