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15日夜、精霊送りに行く。
どしゃ降りの雨の中、息子と二人で夜8時過ぎ歩いて会場へ向う。
舞台の上に、お盆にお供えした花やご馳走を入れた袋を納め、舞台下の線香立てにお線香をたてて、手を合わせる。
その後のテントの中では、地元の4ケ寺のお寺さんの読経と、
ご詠歌の方の声と鐘の音が仏さん送りにふさわしい雰囲気をかもし出している。
いつもの年は、懐かしい知り合いに会って声を掛け合うのだが、この雨では
みんな早々に帰っていく。
写真を撮りたかったがこの雨ではどうにもならない。
お供えした馬と牛
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きゅうりを馬にみたて麻がらで足を作り、うち側に向ける。
なすびは牛にみたて、外側へ向ける。
仏さんに馬に乗って早く来てもらい、牛に乗ってゆっくり帰ってもらうのだと聞く。
お膳
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15日朝のお膳。昨年からは朝昼兼用で、お昼にお供えしている。
13日昼は、迎え団子できな粉の団子または小豆のお汁粉ふう。
夜は、四つもの(白いご飯にこのお膳のように4品)
14日朝は、ぼた餅
昼は、四つもの
夜は、そうめん
15日朝は、赤飯
昼は、四つもの
夜は、いなされ団子、いなされ飯、四つもの
送り団子(いなされ団子)
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15日の夕方作ってお供えする
現代風仏さん送り
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燃える紙の袋に入れ、塔婆供養の時にお寺からいただいた竹ひごではさんだ色紙をつける。
これがないお寺もあるが、昔、麦わらで作った船にこれをつけて海に流したなごり。
裏話
例年、仏間から位牌さんを床の間に出し、祭壇にお祭りするのだが昨年から
仏壇で済ませている。
御前灯篭も省略して出さなかった。
もっと来年は元気にならなければと思う。
私が出さないといけない決まりはないはずだが。
夫に馬と牛を頼んだら、足を割り箸で作ろうとするのでびっくり。
麻がらで作ってもらったら、へたり込みそうな足。
でも、これから少しづつ褒めて育てなければ・・・と黙っていた。
以前は夜11時ごろ、家の後の海へ流していた。
海を綺麗にとの声が出て、社会福祉協議会による今の形になった。
安来の街の会場では、ごみを捨てるように収集車に入れられるのだが、
この会場では、仏さんを送るという雰囲気が残っている。
今年は雨でなかったが、例年は歩き道に竹で作った万灯籠もある。
また車でも来られるため、他の地区から来られる方も多いと聞く。
安来の街の方と話したが、それにはお世話役がないと出来ない。
当日は、1時から3時半頃までテント張りや机や椅子を並べる。
お寺さんやご詠歌の方も大変だ。
交通整理の方、送る袋を受け取って舞台に並べる方。
段ボールの箱に入れるのは、禁止されているのにわからず持ってきた人には
袋に詰め替えてもらう。
それでも、中に缶を入れていた人もあったそうで昨日は特に雨の中、大変だったようだ。
皆が帰った後、お世話役は市の職員さんと共に、舞台からごみ収集車に入れ込む。
この作業が後であるからこそ、あのおごそかな雰囲気が保たれている。
16日朝は、テントの片付けに行く。幸い晴れてテントも乾いたそうだ。
各家では16日朝は、替花をする。
墓の花をみんな取り替える。仏壇にも新しい花を供える。
夕方、墓の灯篭にろうそくを灯しに行ってお盆行事はすべて終わり。
昔は、長期の泊り客さんやら仏さん拝みの方で、私はお盆の間中、
台所にいる感じだった。それに比べると今は楽になり、昔が懐かしい気もする。
来年は、古里の暮らしの記録としてもっときちんとした形で残せればいいなと思う。