ナーシッサス/水仙の唄
わたしの心の深くにあなたは住まっているのだ
輪郭を揺るがせにしながら
つねにわたしに背を向けて
あなたは住まっているのだ
あなたは光だ
あなたは花だ
あなたは水のほとりのすがただ
あなたのすがたを思うときわたしの心は震える
するとあなたもともにおののき
逃げ水のように消える
あなたは黄ばんだ午後の日射しだ
あなたは雨の音だ
あなたは芝生に円く散る白いいばらの花だ
わたしは慕いつづける
あなたは眺めつづける
あなたのかなたに光るなにかを
わたしもときに眺める
あなたは川面に光る入り日だ
あなたは山吹の花だ
あなたはよどんだ車窓の外を過ぎてゆく色とかたちだ
過ぎてゆき 過ぎてゆき 過ぎてゆきなおとどまり
わたしの心の深くに
あなたは住まっているのだ
エコー/こだまの唄
あなたに会いたくて ずっと
夢をみてはまた醒めて
わたしは今日もねがう
醒めない夢をみたいと
あなたの影が近づいても
水面に映ることなく
こだまだけが谷にひびいて
ときおり胸をそよがす
あなたはどこにいるのか
わたしはつねに知らない
ただ遠くすぎた春に
ひとつの歌を聞いた
あなたは今も歌うか
わたしの聞けない歌を
谷にひびくこだまの澱が
水底に積もってゆく
反歌
ひとりたつ しじまに耐えず こだま乞う さけびを孤悲と 呼べばいとおし
わたしの心の深くにあなたは住まっているのだ
輪郭を揺るがせにしながら
つねにわたしに背を向けて
あなたは住まっているのだ
あなたは光だ
あなたは花だ
あなたは水のほとりのすがただ
あなたのすがたを思うときわたしの心は震える
するとあなたもともにおののき
逃げ水のように消える
あなたは黄ばんだ午後の日射しだ
あなたは雨の音だ
あなたは芝生に円く散る白いいばらの花だ
わたしは慕いつづける
あなたは眺めつづける
あなたのかなたに光るなにかを
わたしもときに眺める
あなたは川面に光る入り日だ
あなたは山吹の花だ
あなたはよどんだ車窓の外を過ぎてゆく色とかたちだ
過ぎてゆき 過ぎてゆき 過ぎてゆきなおとどまり
わたしの心の深くに
あなたは住まっているのだ
エコー/こだまの唄
あなたに会いたくて ずっと
夢をみてはまた醒めて
わたしは今日もねがう
醒めない夢をみたいと
あなたの影が近づいても
水面に映ることなく
こだまだけが谷にひびいて
ときおり胸をそよがす
あなたはどこにいるのか
わたしはつねに知らない
ただ遠くすぎた春に
ひとつの歌を聞いた
あなたは今も歌うか
わたしの聞けない歌を
谷にひびくこだまの澱が
水底に積もってゆく
反歌
ひとりたつ しじまに耐えず こだま乞う さけびを孤悲と 呼べばいとおし
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