イム・テギョン、チョン・ソンファ、カイが見せる3シーズン目の<ファントム>は?(プレスコール)
ガストン・ルルーの推理小説『オペラ座の怪人』を原作とした<ファントム>が2015年の初演、2016年の再演に続き3シーズン目の幕を上げた。
今回の公演演出は初演から作品を率いてきたロバート・ヨハンソンと 今回から新たに共同演出と振付を引き受けたジェイミー・マクダニエルが務めた。
昨日(12月6日)午後2時から忠武アートセンター大劇場でNAVER TV生中継と共に行われたプレスコールでは イム・テギョン、チョン・ソンファ、カイ(ファントム役)をはじめ
キム・スニョン、イ・ジヘ、キム・ユジン(クリスティーン・ダーエ役)、チョン・ヨンジュ、キム・ヨンジュ(マダム・カルロッタ役)、パク・チョルホ、ユン・ヨンソク(ジェラード・カリエル役)、
パク・ソングォン、ペク・ヒョンフン(フィリップ・ド・シャンドン伯爵)らが参加した中“序幕~私の悲劇的な物語”“そのどこに”“全部私のものだ”“私の故郷”“あなたは私の音楽”“ビストロ”など
主要場面を試演して、作品の流れがわかるようにした。
22人編成のオーケストラを率いるキム・ムンジョン音楽監督は「俳優ごとに異なる呼吸を反映して調和を作り出す作業に心血を注いだ」と<ファントム>の音楽作業で気を遣った部分について語った。
再び出演した俳優
作品に再び出演した俳優は新しいことを探した。カイは初演以後4年間で積み重ねた経験のおかげで感情の幅が広くなり、人に対してより深く理解しようと努力するようになった。
「‘ファントム’も単純な欠乏として感じず、保護してかばってあげたい同情心が生まれました。より深く理解しようと努力しました」
主演の中で唯一全シーズンに参加したキム・スニョンは3シーズン目に出演するためプレッシャーも多かったと言った。また別の解釈を探して別の姿も見せたい気持ちのためだった。
「新たな俳優たちと練習しながら新しいことを探し出しました。公演のたびに感性が異なり、ファントム役の俳優それぞれの呼吸が異なって楽しいです。充実したし、自分も新たな感じで意味がありました」
キム・スニョンの目標は健康だ。<ファントム>に高難度のナンバーが多く喉を痛めると消化すらできない歌が多いためだ。「カゼを引かないよう努力していて、すべて具合が悪くならずに
最後の公演まで行うのが目標です」
再演以後 引き続き出演することになったイ・ジヘは前回の公演で感じたプレッシャーと不安のために表現できなかったことを見せるため努力していた。
「2シーズン出演して余裕ができたのもあって、変化した呼吸を通じて見つけたこともあります。ファントムの気持ちでクリスティーンの成長記をほほえましく見ていただけるよう努力しています」
ファントム出演者がすべて変わって初めて呼吸を合わせるのを見たら より豊かにするため悩んだと言った。3シーズン目の公演なので新しい部分を探そうと努力したので
変わった点が多く感じられるだろうと付け加えた。
新たな俳優
今回の公演には新たな俳優も合流した。試演の時に着けた仮面がちゃんと取れず やむなく着けたままで記者懇談会に参加したイム・テギョンは<ファントム>を人生作だと称した。
「練習の時から楽しかったです。仲間が練習するのだけ見ても深くハマりました。心すべてが傾く作品なので幸せです」
作品の背景であるパリを訪問してオペラハウスも訪問したと言った。家のように気楽な気持ちを感じたが、そのせいか出演した俳優とも隔たりなく家族のように新しい作品を作る感じで演じていると語った。
チョン・ソンファは公演を見た観客が感じる隔たりを縮めると同時に、自分だけの‘ファントム’を見せるため努力を注いでいた。「プレッシャーを感じるが 楽しくひとつずつ
きちんと見つけながら公演しています。(方向を)見つけていく感じがして気分が良く、観客の皆さんも認めていただけると信じています」
チョン・ソンファが解釈したファントムは‘野獣のような荒々しい面’が目立つ姿だった。ぶっきらぼうな声で見つけ出したという説明だった。
「(ファントムの)秘密が明かされる瞬間 共感しながらも哀れになるという計算をしました。野獣のようで荒々しいファントムもお見せできるということを申し上げたいです」
ニューヨークでオペラ歌手として活動したキム・ユジンはクリスティーン・ダーエ役でミュージカルにデビューすることになった。クリスティーンがパリのオペラ劇場に行った時の感情が
ニューヨークに留学した後オペラ劇場に初めて行った時と重なって共感できたと。クリスティーンに没入して役に愛情も生まれて、初めてなだけに スタートする気持ちを込めた
クリスティーンを表現しようとしていると語った。
初めてミュージカルに出て<ファントム>のナンバーがクラシックで試行錯誤は少なかったが、歌手の歌に集中しているオペラとは違い ミュージカルは劇の流れと演技に
とても神経を使わねばならなかった点が異なって 適応する時間が必要だったと違いを比較した。クラシック歌手としてミュージカルファンに会って疎通できる点を魅力と感じた。
3人のファントムの違い
ファントム役を演じる俳優すべてと呼吸を合わせたキム・スニョンはカイの変化した演技をはっきりと感じた。「初演ととても変わりました。レッスン場面で(前と違い)とても怖いです。
カリスマあふれるマエストロのような感じです」と言った。初めて呼吸を合わせたイム・テギョンは「繊細で温かく 女性として何かしてあげたい気持ちになる」と言い、
チョン・ソンファは「素朴で荒々しい男性」のような感じだと異なる点を指摘した。
イ・ジヘはイム・テギョンについて「純粋で母性愛を刺激すると同時に子供のように天真爛漫なエリック」と言った。チョン・ソンファは‘リアクション’が豊富な点を挙げた。
「歌が上手だったり 教える通りに上手にする時 仮面の中の目で本当に好きにです。できなければ怒ります。音楽に夢中になるエリックをよく表現されているようです」と言った。
カイは「暗さの定石」と挙げた。「セリフの中の‘私がまさにその暗闇だから’というセリフがぴったり合います。地下で暮らしているエリックの感じを良く表現しています」と3人のファントムの魅力について語った。
ファントムの仮面
ファントムは公演中ずっと様々な仮面を着けて登場する。カイは仮面を着けると「感情や目つきが(むしろ)より表れるようだ。それで瞬間ごとに生まれる感情に繊細に集中しようとする」と言って
これを個人的に難しい部分に挙げた。
初演当時“悲劇的な物語(リプライズ)”で激しくなった感情で仮面が壊れたエピソードもあった。「演技を続けるべきだったが どうすればいいのか方法を考えて瞬間的に手で顔を覆いました。
それ以後余裕分で仮面を両側にひとつずつ さらに準備することになりました。仮面によって問題が起きないことだと豪語するわけにはいきませんが 準備を徹底して完璧な公演ができるようしっかり準備します」
イム・テギョンも今回の公演で取れるほどではなかったが 仮面の一部が壊れたことがあったとし、注意深く扱わなければならないようだと語った。
「初めは仮面を着けるのが心配だったが 今は着けていないと何となく寂しいです。思ったよりすぐ壊れて 私の顔のように貴重に扱わなければならなかったんですよ。仮面をかなり愛しています」
チョン・ソンファは肌の管理マシンを用意して家でリフティングをしていた。「仮面を着けると顔の下半分が(出て)見えるため、顔の下半分に気を遣っています。効果は少ないが熱心にしています」
仮面で生じた苦哀は視野の確保だ。「目の部分が空いてはいるが横はよく見えない時があります。2~3回 正面から当たったり舌で傷ができたりしましたが、
頑張っているように見えて 演出のかたがよりうまくやって下さるようです」と仮面のために生まれたエピソードを面白く公開した。
チョン・ヨンジュ、キム・ヨンジュのカルロッタ
カルロッタ役で出演中のチョン・ヨンジュとキム・ヨンジュは役に深い愛情を見せた。チョン・ヨンジュは「容易ではないキャラクター」として「クリスティーンの実力が優れていてできないように見えるが
それなりに基本もあって歌が上手なキャラクターだった」とキャラクターについて説明した。不当なことは容認できない人物だから カルロッタなりに優雅で合理的な方法で不都合を取り除くのだと言葉を続けた。
チョン・ヨンジュはカルロッタが登場する名場面に“フーガ”の場面を選んだ。「カルロッタがひとつの舞台で<アイーダ><ラ・トラヴィアータ><ワルキューレ>まで3つのオペラ場面を演じるが、
<ファントム>1幕で白眉ではないだろうかと思う」と自負心を見せた。
新たに合流したキム・ヨンジュは「台本を初めて見て一人でものすごく笑った」とし 魅力あふれるキャラクターだったとカルロッタに初めて会った瞬間を回想した。
「どこに跳ねるのかわからない女性です。タチが悪いけれど そんなにタチが悪いだけじゃないです。妥当で適当なんですね。魅力があって丸々と跳ねますが愛らしかったです」
特にカルロッタが見せる特有の声をたくさん練習したと言った。「訓練しただけ歌が出るので苦労して訓練しました」
パク・チョルホ、ユン・ヨンソクのカリエル
カリエルを演じているパク・チョルホは「<ファントム>が私を選んだ」と考えるとし、やればやるほどハマる作品だと言った。1983年から息子が青年になった今までミュージカルをしているが
「健康が許すまで続ける」と愛情を見せた。
ユン・ヨンソクは同じ原作で作られた<オペラ座の怪人>2001年初演と2009年の再演で続けてファントム役を消化した。<ファントム>ではカリエルを演じる。
「カリエル役でファントムを見守ることになって感慨が新しいです。<オペラ座の怪人>ではエリックがなぜつらく偏屈な人物になったのかを悩んだなら、
<ファントム>ではカリエルがエリックをそのように作ったのかについて痛みを考えている」と変化した点を語った。
キム・スニョンは「正統派オペラ歌手の声、素晴らしいバレエとミュージカル俳優の見事なアンサンブルまで ミュージカルで総合芸術セットを見ることができる」と魅力をアピールした。
カイは「俳優たったひとりではなくすべての出演者とスタッフの呼吸で作った完成度の高い公演だ。年末に一遍のミュージカルを推薦するなら言うまでもなく<ファントム>を推薦する」と自信を持った。
一方、3シーズン目として帰ってきた<ファントム>は 2019年2月17日まで忠武アートセンター大劇場で公演を続ける。
[2018 뮤지컬 팬텀 ] 프레스콜 x 임태경 정성화 카이 プレスコールの様子。ストーリーのさわりの部分がわかる。
個人的に、チョン・ソンファは地下でひっそりと暮らしていたエリックにしては体格が良すぎる気がする。
マダム・カルロッタはやっぱりシン・ヨンスクがいい。今回は『エリザベート』の主演だから仕方ないけど。