花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

再びカッコソウ咲く鳴神山へ・

2010年05月10日 | 登山


桐生市の鳴神山で「カッコソウ」が咲き始めたと言うので、9日早朝
花友の2人と、花友の運転する車に同乗して再び鳴神山に向かった。

田植えの済んだ、緑色の田んぼに写る風景の何と素晴らしいことか。


今回は鳴神山の東側、木品登山口から登り、肩の広場→山頂→椚田峠(裏の肩)
→カッコソウ保護地→鍋足登山口と廻り鍋足から林道を歩いて木品に戻った。



樹徳高校山荘のある登山口から登ると、しばらくは薄暗い樹林帯の中を
渓流の音を聞きながら登る。
途中に枯れ木を横たえている場所で、沢を渡って左側の作業用の道路を
登ってゆくと、不動様の祭ってある大滝に出る。





ガイドブックには、かなり荒れた道と書かれているのだが、作業用の道に
拡張されて、荒れた感じはしない。




オマケにコンクリートで舗装された急坂も有る。
そのせいでこちらの登山道で見られる花の数が減ったと言う。



たぶんオオルリであろうか、小鳥の優しい鳴き声が谷間を
渡って響き、ひとしきり耳を澄ます。


カッコソウの保護地に咲くヒトツバエゾ

こちらはエイザンスミレのシロバナ

肩の広場の直下には、ロープで囲まれたカッコソウ保護地が有るが、こちら
にはカッコソウの花が咲いておらず、カッコソウの株の葉がわずかに数株
見えるのみであった。



肩の広場に出ると、早くもトウゴクミツバツツジが咲いて風に揺れていた。
温度計を見ると、18度もあった。
汗だくの身体に、吹き上げる風が心地良い。
神社の庭で早めの昼食タイムにした。






アカヤシオの花が散っている登山道を登ると、桐生嶽の山頂は相変わらず
賑わっていた。
ひととき展望を楽しみ、長居は無用とばかりお隣の仁田嶽に向かう

こちらの赤城山展望地で赤城の雄大な山塊を眺めていると
「浅間が見えますね」と中年の男性が声をかけてきた。
目をこらすと、霞に包まれた浅間山がかろうじて見分けられた。



コイワカガミの群生地を覗くと、まだ咲きはじめの状態で、蕾が多い。
それでも白くて可愛いコイワカガミの、うつむき加減の花姿を
跪いて眺める

仁田嶽から椚田峠に下る急な坂道をおりていくと、見覚えのある
ご夫婦が登ってきた。
前回の登山の時、椚田峠でお会いしてシロバナエンレイソウが咲いている
とお話してくださったご夫婦である。
挨拶して「ブログの記事を見ましたよ、素晴らしいお写真ですね」
と言うと、「いやいや」と謙遜なさる。

「えっブログを書いているの」と隣で奥様が怪訝な顔をした。
どうやら奥様には内緒だったらしい。まずかったか
でもこんな事では夫婦げんかにはならないと思うが、済みませんでした。

ひとしきりブログの写真で盛り上がった。
今回も下山路の途中にヤマブキソウが咲いていますよと教えてくださった。

またお会いしましょうと挨拶してお別れした。
花友が前回お会いしたとき、13回目の登山と言っていた事から「今回は15回目
の登山ね」という。
ブログには、あの後も一回登った記事が出ていたからである。

椚田峠の下のカッコソウ自生地に行くと、たくさんのカッコウソウが咲いていた。
杉の樹林帯の斜面に、時々木漏れ日が差し、カッコソウがスポットライトを浴びる。
今年は色の薄いカッコソウも咲いていた。






残念なのは、身近な位置から撮れない事である。いずれも花の位置は遠い。
盗掘されて絶滅寸前になったのだから、しょうがないのであるが。



カッコソウの下の斜面には、ルイヨウボタンの大群生が広がり、花が咲き始めていた。
風に揺れる花に、花友が悪戦苦闘して撮影している。
ルイヨウボタンのこれほどの群生地は見たことがない。



山葵(わさび)田の跡の脇にヒイラギソウの群生地があり、蕾が出来ていた。
前回撮影したシロバナエンレイソウは終わりかけであったが、その後も
たくさんのシロバナエンレイソウを見た。



教えられたとおりにヤマブキソウが咲いていた。
時折、ツツドリの鳴き声がした。ポポポポ、ポポッポポッポポッ
早くも夏鳥の季節になりつつあるのか。
この鳥は、自分の卵をセンダイムシクイなどの巣に産み付けて、いわゆる
托卵と呼ばれる仕方で繁殖すると花友が言う。

この下山路は、何度か反対側に沢を渡るが、渡る地点に案内がないので
ふみ跡をたどっていると渡渉地点を通り過ぎてしまう。
木に巻き付けられたテープが目印である。
私たちも、一度ふみ跡が無くなる所まで歩いて気がついた。


ウラシマソウ 名前のごとく釣り糸をたれている。

鍋足登山口から木品に向けて林道を歩き始めたら、渓流の水音に混じって
涼やかな「カジカ蛙」の鳴き声がした。
まさかこんな所でカジカ蛙の鳴き声を聞こうとは、想像もしていなかった。

終わり