ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

やめてくれ、そんな目で見るのは。

2022年05月10日 11時55分22秒 | owarai

 

「男がありとあらゆる理屈を 
並べても、女の一滴の涙には 
かなわない。」 
ヴォルテールにそう教えられ 
るまでもなく、 
涙の前ではなすすべもない。 

悲しみ、苦しみ、絶望から流れ 
出す涙だけではなく、 
彼女たちは、喜びという涙の 
源泉も隠しもっているから 
手に負えない。 

もし男にこれに対抗できる 
武器があるとするならば、 
ひとつはその涙を記憶する 
ということかもしれない。 

例えば絵画だ。 
筆を運びながら、無心になれ 
るほど、 
女の感情に囚われることなく 
客観という世界で自由に心を 
開放することができるはずだ。 

しかし涙には色がない。 
しかも涙はすぐに乾く。 
涙を絵に留めるには、熟練と 
技術が必要だ。 

それも人生においての。 


偉人の食卓  太宰治

2022年05月10日 11時17分41秒 | owarai

食べすぎて、 
すみません。 

「子供の頃の自分にとって、 
最も苦痛な時刻は、実に、 
自分の家の食事でした。」 

そんな「人間失格」の一節 
からは想像できないほど、実 
際の太宰治は、よく食べてよ 
く飲む大食漢だった。 

高校時代は、いつも三杯分の 
味噌汁を魔法瓶に入れて登校 
し、作家になってからも、その 
大食ぶりで周囲を驚かせたと 
いう。結婚後は、特に家では 
素材も調理も出身地である津 
軽風にこだわった。 

郷里から毛蟹が送られてきた 
ときなどは、大の男がまるで 
子どものように 
有頂天になって喜んだ。 

ほかにも、湯豆腐、筋子納豆、 
根曲がり竹などが好物、美和 
子夫人は自身の回想録で三鷹 
の街を毎日食糧集めに奔走し 
たことを記している。 

また、太宰は自他共に求める 
大の味の素好きであった。 
「HUMAN LOST」の中の 
「私は、筋子に味の素の雪きら 
きらを降らせ、納豆に、青のり、 
と、からし、添えて在れば、他 
に何も不足なかった。」という 
主人公の語りも太宰自身の本心 
なのだろう。 

食欲なまでの食事への執着は、 
この作家の生きることに対する 
力の限りの執着のようにも思え 
てくる。 


食は 
人をつくる。