おにぎり

 

昔、日本は貧しかった。 
家は、小さく、古くて、 
とても暑くて、そして 
寒かった。 

季節は秋だったろうか。 
友だちにススムという少 
年がいた。 
ススムは、僕の近所に住 
んでいた。 

夕暮れ時、通りに出てき 
たススムが、炊きたての 
ごはんのおこげでつくっ 
た握りめしをほおばって 
いた。とてつもなくうま 
そうだった。 

夕陽に照らされたススム 
の顔を見ながら、うらやま 
しいと思うと同時に、あ、 
なんだ、ススムの家は大丈 
夫なんだと、ひとごとなが 
ら、ちょっとほっとしたこ 
とを覚えている。 

ススムの家は、夕方、ちゃ 
んと母親がごはんを炊いて 
いる家なのである。それは、 
この家がきちんと動いてい 
る何よりのシルシ。 

生きる意志を明快に持つ 
家族の、何よりの証明では 
ないか。 

崩壊した家族が、まだ明る 
いうちから、湯気をホカホ 
カと上げながら夕食をつ 
くっている姿を想像する 
のはむずかしい。貧しい 
けれど、たとえそれが無 
意識であろうと、家族に、 
前へ前へと進もうという 
力があった時代。 

「幸福は、ごはんが炊か 
れる場所にある。」 

今、偶然にも家族といる 
時間が増え思い出がいっぱ 
いつくれるといいなぁ。 

 

幸福になる人

 

人間は誰でも幸福になれる。

そのためには人を押しのけたり、
足を引っ張ったりして、
自分だけ幸福になろうとしても

決して幸福になれない。

よくできたもので、
「最もよく人を幸福にする人が、
もっともよく幸福になる」

五月を感じながら
そう思うんですよ。

運命のものに出会えれば、世界が広がる。

 

もしも、 
先のことばかり考えて 
今がおなざりになるなら、 
いっそ忘れて、 
素敵な時間にしましょう。 

いつか、自信を失くした時は、 
好きなものだけで、 
自分をデコレートするの。 
特に、運命的に出会った 
とびきりのもので。 
きっと明るく、強くなれるわ。 

描いてない夢は、 
どうやって叶えるのかしら？ 
誰かのトレースではなく、 
本当にしたいことだけ、 
思い浮かべる。 
世界の中心は、わたしだもの。 

この人生はわたしの物語。 
絶対ハッピーエンドにしてみせる。 

とれたての恋です。

 

五月。 
となりの人に、何か話し 
かけたい。 
でも気のきいたコトバは 
浮かばない。 

そんな時はまず気楽に、 
おいしいものを食べたら、 
「おいしいよ」。 

少なくとも、話しかけたい 
という気もちは、 
相手に伝わることでしょう。

心の旅路・・・。

 

 

夕焼けの向こうのずっと 
遠くへ、 
何か忘れてきたものを探しに 
行くようで、懐かしさという 
寂しさはどこから来るのでしょう・・・・。 

いつしか眠ってしまい、ほん 
の何十分間の心の旅路も、目 
覚めると現実の朝になってい 
ます。 

心の旅路というのは、決して 
思い出遊びではなく、二度と 
帰ることができない旅なんで 
しょうね。 

だからなおさら切なくて、寂 
しいものだと思います。 
「人生が二度あれば・・・・・」 
もしそうであったとしても、 
多分ボクはアパートへ帰り、 
同じ道を歩くと思います。 

そしてひとつだけ違うこと 
をするとしたら、君とめぐり 
逢うために、君が歩いてくる 
のを待つために、ひっそりと 
したベンチに腰掛けて過ぎて 
行く時を見送り、君の姿を捜 
すでしょう。 

いつか君は言ったね。 
「それでも、ふたりは逢えた 
のだから・・・・・」 

今、君の声が耳から離れません。 

P・S 
「旅は愛を深める・・・」 
誰の言葉でしたっけ？ 

 

あなたなんか大好きです。

 

あなたなんか知らないっ！
とアタマにきても、でも
やっぱり好き、と思って
しまう女心。

こんな愛の告白をされた
ら、男はグッとくること
間違いなし。

 

ボクは、君にバカです。

 

いったん人を好きになると
男の人はおバカさんに
なって、まっしぐらに
暴走します。

女の人はお利口さんだ
から、かけひきなんか
できちゃいます。