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「オセロー」 舞台内容 三幕三場 (4)

2009-10-05 17:27:54 | 「オセロー」

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 イアーゴーは、エミリアから、掠め取ったハンカチーフを使って次なる悪事を企てる。
それは、そのハンカチーフをキャシオーの宿に落としておき、彼が拾ったら、オセローの疑いを深めるための証拠にしてしまおうと考えたのだ。
                    'Trifles light as air
   Are to the jealous confirmations strong
   As proofs of holy writ.'
 (空気のように軽いものでも、
  嫉妬に駆られた男には、聖書の文句ほどに
  重みのある証拠となる)


 オセローは、イアーゴーが言ったとおりに嫉妬の虜になってしまった。
デズデモーナと一緒に居るときは、彼女への信用が大きくなり、彼女が離れると、イアーゴーが注ぎ込んだ不安が支配し、彼の心は大きく揺らいでいくのだった。


 オセローのような男にとって、判断のつかない宙ぶらりの状態でいることに堪えられなかった。
疑い始めたら、それが解決するまで休むことができない。白黒はっきりせずにはいられない。


 そして、このうやむやな状態から抜け出せるように、イアーゴーに疑惑の根拠となる証拠を出せと脅し迫るのだった。
 'If thou dost slander her and torture me,
   Never pray more; abandon all remorse;
   On horror's head norrors accumulate;
   Do deeds to make heaven weep, all erath amazed;
   For nothing canst thou to damnation add
   Greater than thay.'
 (もしもお前妻の中傷し、私を苦しめるのだったら、
  今後祈ることをやめろ、情け心も捨てて、
  悪業の上に悪業を積み重ね、天も泣き、
  地も惑うほどのことをしてみせろ、
  どんな悪事を働いても、これ以上に
  大それた罪を犯せるものか)


 もはや、オセローくんは、テンパっちゃっているから、見さかえなしだよ。
これが、ふつうの人間だったら、狼狽して有効だったかもしれないが、相手が悪かった。
イアーゴーには、火に油を注ぐようなものなのだ。




 イアーゴーは、ますます言葉巧みにオセローの心に忍び込んでいく。
                              'By the world,
   I think my wife be honest, aod think she is not;
   I think that thou art just, and think thou art not;
   I'll have some proof.'
                (全くのところ、
  妻は潔白だと思うが、潔白ではないとも思える、
  お前は正しい奴と思うが、正しくないとも思える。
  私は、何か証拠が欲しい)


 そしてイアーゴーは、おもむろに証拠を語りだした。
例のハンカチーフを使った偽りの事実を。


 冷静の判断ができないオセローは、 イアーゴーの言葉を真に受けてしまう。
そして、キャシオーとデズデモーナに復讐することを誓い、イアーゴーを完全に信頼してしまった。
 テンパってるオセローが、イアーゴーを信頼してしまうのは無理ないことかもしれない。
オセローが求めた証拠は、4つあった。
(1)オセローが近づくと、キャシオーはこそこそと逃げ出したこと。
(2)デズデモーナが、キャシオーの復職に異常なまでに熱心なこと。
(3)キャシオーの寝言。
(4)キャシオーが、例のハンカチーフを持っているところを見られたこと。

 でも、普通このくらいで二人が不倫していることに確信を持ってしまうなんて、オセローくんは、ちょっと愚か者かもしれない。




 そしてオセローは、空席になっていた副官をイアーゴーにしてしまうのだった。




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