『シャーディック』下、リチャード アダムズ著、神宮輝夫訳、評論社
<あらすじ>
シャーディックに導かれたオルテガ人たちの怒涛の進軍に、あっという間に首都ベラクは陥落し、彼らは念願のベラク奪還を果たしたのだった。
シャーディックに導かれたオルテガ人たちの怒涛の進軍に、あっという間に首都ベラクは陥落し、彼らは念願のベラク奪還を果たしたのだった。
シャーディックを発見した狩人ケルデレクは、祭主王としてベラク帝国を治める。しかし、南の諸州は異民族の力が残っていて、5年以上にわたる紛争を繰り返していた。
そんな折、一人の領主エレロスが謀反の心を抱いて、首都ベラクを訪れるのだった。
主人公ケルデレクが、シャーディックとの出会いによって数奇な運命をたどっていく壮大な物語である。
<感想>
アダムスの話を幾つか読んで気が付いたことですが、彼は登場人物に苦難を与えるとき、必ず血が流れます(その人物が怪我をする)。
特に主人公は、何かあるごとに怪我を負うので、いつも傷だらけなのです。これはイエス・キリストの受難をイメージしているのではないかと感じるほどです。
アダムスの話を幾つか読んで気が付いたことですが、彼は登場人物に苦難を与えるとき、必ず血が流れます(その人物が怪我をする)。
特に主人公は、何かあるごとに怪我を負うので、いつも傷だらけなのです。これはイエス・キリストの受難をイメージしているのではないかと感じるほどです。
この『シャーディック』は、主人公ケルデレクの数奇な運命、シャーディックに翻弄されて受難し傷ついていく姿は、キリスト教文化における信仰心をテーマにしているのではないかと強く感じました。
カテゴリーは児童文学となっていますが、テーマ内容としては、重たい感じのする作品です。