みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

猿の子どもは群れで育てるようになってるんだ

2007-07-28 01:41:00 | 雑記
先ほど、NHKで「地球・ふしぎ大自然」のアンコール放送をしていました。 
今回のタイトルは「金色のサル 森を飛ぶ」
番組表の詳細をそのまま転載しますが、内容はこんな感じです。
中国の古都・西安の南西に連なる秦嶺(しんれい)山脈。深い森に覆われた山の奥に、毛が金色に輝くサル、キンシコウが暮らしている。孫悟空(そんごくう)のモデルとも言われているが、その生態はふしぎがいっぱい。森を縦横無尽にジャンプしながら移動する生活。群れの中で赤ちゃんを奪い合う奇妙な行動。そして、氷点下20度の厳しい冬山を生き抜く驚異の能力。これまで謎に包まれてきたキンシコウの暮らしぶりに迫る。

この説明に「群れの中で赤ちゃんを奪い合う奇妙な行動」とありますが、これ、実は母親以外のメスが赤ちゃんの面倒を見てくれるという話なんですね。
若いメスたちが赤ちゃんを抱いた母親のまわりに群がって、「かわいい~♪」「抱かせて、抱かせて~♪」「次、私~♪」という感じで(ホントにそう見えるんですよ)赤ちゃんを持っていっちゃうんですよ。
そうして赤ちゃんを持っていかれた母親がどうするかといえば、いかにも「あ~、セイセイした~~」という表情で(いや、ホントにそう見えるんだって)身繕いをしたりゆっくり食事を始めたりするんですよ、これが。
で、ゆっくりくつろいだらおもむろに「はいはい、もうウチの子を返してちょうだい」と(くどいようだけど、そう見えるんだって)赤ちゃんを取り戻して抱っこしてるんです。

私は、これの本放送の時も見ていまして。
2004年の秋頃だったと思うのですが、ちょうどその時は、いつまでも首の据わらないおチビとずっと2人きりで家にこもっていてかなり煮詰まっていた時期でした。
だから、ちょいと子どもを預けてくつろぐ母ザルに「そうだ、これが必要なんだー!」と大変共感(笑)したのを覚えています。

キンシコウの出産シーズンは春先ですが、厳しい冬を越したばかりの出産は母体の負担が大きい。だから、一時でも他のサルが赤ちゃんを持ってくれたら母ザルは餌を食べることに集中できる。群れを維持するための知恵なのだそうです。
若いサルが赤ちゃんの扱い方を覚えるという利点もありますし。
が、やっぱり、知恵というより何より、一日中子ザルがぶら下がっていたら母ザルだってうっとおしいのだろうと思いますよ(笑)

もっとまじめに話せば、サルはかなり広範囲な縄張りを移動しながらの生活で、安全な巣を持っているわけではない。その割に生まれたばかりの赤ちゃんザルは無力です。とにかく母ザルにしがみつくことしか出来ない。
この無力さは、群れ生活に適応した結果なのですね。
母親を群れ全体でカバー出来るからこそ、無力な赤ん坊を産むことができる。

で、無力な赤ん坊と言えば、人間の赤ん坊ほど無力なものはないです。
母親にしがみつくどころか、首も据わっていないんだからね。
ヒトの赤ちゃんは群れ生活に強く依存した存在なんでしょう。母親が一人で抱えていたらおかしくなるよなぁ。


あ、ついでですが、NHKの番組説明にキンシコウは「孫悟空(そんごくう)のモデル」とありますけれど、これはガセだって「トリビアの泉」でやってましたね。これを見るまで、私も孫悟空のモデルだと信じてました~~。