タイトロープダンサー〈STAGE4〉 (リンクスロマンス)
タイトロープダンサー〈STAGE5〉 (リンクスロマンス)
出合ったのが13年ほど前のこと。エクリプスロマンスの頃でした。
作者は、自分は三四郎だと言います。私も基本的には三四郎型の人間だと思っていますが、このカイという屈折した人間にかなりの部分共感または共有するものを持っているように感じてとうとう最終章まで付き合うことになりました。
イヤだと険悪する行為でありながら肉体がそれを求めてしまう。溺れるほど愉しんだ後に残るのは悔恨と自己険悪。それの繰り返し。
だから感情を殺し精密機械のように振舞う。しかし何かの弾みで怜悧な頭脳が破綻をきたす。その原因はいつも相手にある。(私の悩みそのものでした)
この三四郎という男。「愛してるなんて言うなよ。その口引き裂いてやる」と味付けのつもりで口にしようとしたカイに唸ります。
ですが、最後に「惚れているんだぜ」と無邪気に微笑みます。
この男。サイテーだと思いました。
でも、私もカイと同じくこの男が好きです。(カイは好きなんかじゃありませんと、言下に否定するんだろうなあ)傍にいて欲しいと思います。熱くて強くてわがままで。
15年の時を経て完結した「青の軌跡」シリーズ。
久能千明先生ありがとうございました。(5年前までは結構近くに住んでいたんですね~)
沖麻実也先生お疲れ様でした。
私もこのシリーズ大好きです~。
で、三四郎をちょっと弁護~(笑)
三四郎が「愛してるなんて言うなよ。その口引き裂いてやる」って言ったのは、あの時点でカイは三四郎に惹かれながらもホントの意味で愛してなかったと思うんですよね。あの頃カイは自分のことが第一で、自分のことしか考えてなかったし。三四郎はそれに気づいていたので、ああいう風に言ったと思うんですよ。
でも最後に、「月人でよかった」と言い、自分のことだけじゃなく三四郎をよすがに生きていくことを選んだカイに、三四郎はやっと「惚れているんだぜ」と告白できたんだと思うんですよ~。
てなわけで、私的に大好きな三四郎を弁護させて頂きました~(^_^)
まったくko様の言うとおりです。
私の言わんとしたことを綺麗に文章にしていただき本当に嬉しいです。
「愛してるなんて言うなよ。その口引き裂いてやる」
このフレーズを目にしたとき凄いショックを受けたんですよね。ええ本当に頭をカチ割られたように。気が付けば何度もその文だけリピートしてました(笑)
なぜかというと、言葉にすることで自分自身に言い聞かせることにもなるし、相手も言われれば嬉しいんじゃないか?と漠然と考えていたからなんです。
それを(感じてもいない感情を口にするな)言うな、という。
唸ってしまいましたよ。
カイと共に三四郎に縋って過ごした青の軌跡です。
ko様、ゆっくりこの余韻を楽しみましょうね。
他にお奨め本などありましたらご教示ください(^_^)