ギリシャの元首相シミティス氏はともかく多くのギリシャ国民はユーロ圏からの離脱を欲していると考えるとそこで問題となることはなんだろうか、
ギリシャの債務は(英エコノミスト誌 2011年6月25日号 によれば)3000億ユーロ、イタリア(債務残高1兆8000億ユーロ)とスペイン(債務残高6400億ユーロ)と他の国に比べてギリシャの債務残高は低い、それなのになぜギリシャが大きくクローズアップされるのか。そのことで考えてみるとギリシャよりも多くの債務を抱えているイタリア、スペインがまず問題となるのだが、現在はさし詰まったギリシャの債務不履行が問題となっている。そこにはなんとしてもユーロ圏を解体させたくないという思惑からギリシャをなんとしてもユーロ圏から離脱させないという考え方が支配していると考える。そこでの犠牲者はギリシャ国民ということになる。
『欧州との結びつきを考え直すドイツ』
2011年 9月 29日 21:33 JST
http://jp.wsj.com/Economy/node_316316/(key)/6f356556f470a04efbd6acf1a0d321bd?reflink=Yahoo 以下は上記から抜粋引用
ユーロ圏諸国にとっての大きな問題は、多くの一般ドイツ国民が共通通貨の具体的な利点を見いだせないと考えていることだ。世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが、その成長と生産性の向上は、政府給付金の削減や給与の抑制を伴ったものである。輸出や企業収益が好調な一方、平均的な国民の給与は数十年前から成長が止まっている。
この引用の中で>世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが
この世界的危機を脱して活気を取り戻したとあるが、これはユーロ安によってもたらされたのではないのか。もし単一通貨のドイツマルクであれば当然わが国(日本)と同じようにドル安マルク高になり日本と同じように産業の空洞化は免れないと思うのだが。当然ドイツ人の上に立つ者達はそのことを理解しているはずだと考え、なんとしてもユーロ圏を解体させはしないと強い決意を持っているようにみえる。
ここに面白い記事があるのを紹介しよう」。これも朝日新聞「ニュースがわからん」という中の文章で
「ホ 借金が多いのは日本も米国も同じなのに。
「A 欧州は17の国が1つのお金ユーロを使っているから騒ぎになる。本来、その国の経済の調子が悪くなれば、お金の価値が下がり、他の国に安く輸出できて景気が上向く。ユーロは安くなっているが、もしギリシャが自分の国のお金を持っていたら何倍も安くなっていたよ」。
まさにこのことはギリシャが自分の国のお金ドラクマを使わさせてもらえないということはユーロ圏としての統一が間違っていたことの証明ではないだろうか。なぜ間違っていたのか。
『ユーロ圏の解体がとてつもなく難しい理由』 jbpress.ismedia.jp
ユーロ圏の加盟国は、こんな買い物をしなければよかったという激しい後悔に見舞われている。多くの人は、20年近く前に購入し、1990年代終盤から2000年代にかけて組み立てた部品一式を分解したいと思っている。だが、分解はできず、欧州の協調構造全体と一緒に壊すしかない
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23240?fb_comment_id=fbc_10150320237099430_18866624_10150321668529430#f27838182abec88(2011年9月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
この記事の中で私もコメントを書いています。
カイユ氏は正しい。そして今、2つの新たな要素が加わったと同氏は指摘する。1つ目は、ドイツの世論が中央銀行に背を向け始めたこと。2つ目は、オランダのマルク・ルッテ首相を含む多くの政治家が、強制的な離脱の可能性を口にしていることだ。 多分遅かれ早かれギリシャはユーロ圏から離脱する以外方法は無いのでは。私は遅かった離脱だと捉えています。早く離脱していればギリシャは為替の関係で通貨安にもっていける。そこから安くなったギリシャ観光が世界から多くの観光客を呼び込めます。現在のユーロ支払いでは観光客はギリシャに行くよりもフランス、イタリアその他の観光地に分散されてしまう。 逆にドイツはユーロ圏が解散すれば当然のごとくマルク高になっていき、貿易収支がマイナスに傾いていくはずだと考えます。現在はユーロ安によって生産が拡大しているはずです。つまり黒字国です。...
この問題は通貨を理解しなかったために起こった問題であり。つまり一国一通貨ということの意味を理解しなかったために起こった問題です。 たとえれば日本という国は「円」という一国一通貨であり、北海道や沖縄が生産性が上がらなく赤字であれば、東京で稼いだお金が過疎地振興という形で公共投資等で経済の活性化が図られます。ですがユーロ圏という通貨は同一でも、国が違うことによって赤字国に貸付を行うだけです。それは国債の大量増刷という形であり、決してユーロ圏全体で東京が北海道を助けるように、赤字国を助けようということではありません。 結論はユーロ圏というものが間違えて発足したことであり。早い時期に解消すればよかったと考えます。それはギリシャの債務不履行の前に世界が手を貸し、ユーロ圏から離脱させることだと考えます。
何回も言うようですが「一国一通貨制度」を理解しないまま、「一ユーロ圏一通貨制度」に欠陥があるにもかかわらず推し進めてきた人たち、経済は原発の問題どころではないかも知れませんが、日本の原発推進派と同じように問題があったわけです。
この私がフェイスブックで書いた文章にドイツ国籍のある女性が返事をくれた。
M ユーロ安でドイツの生産が拡大するという図式は現在は成り立っていません。9月の経済バロメーターではやや下降気味になっています。 ユーロに構造的なエラーがあるのは確かですが、だからといって離脱や解体がよい解決策だとは思えません。誰もヨーロッパがばらばらになることなど望んでいないし、解体するにもコストがかかりすぎる。むしろ構造的エラーをなくす努力、つまり税制をはじめとする様々な政治体制の統一化に向かう努力をしながら前進するしかないと思います。
楢篠 ご意見ありがとうございます。確かに現在のドイツ経済は解りません。ただ日本と比較したとき日本は円高により企業が海外に逃げていくという空洞化現象に見舞われています。逆に考えるとドイツでは通貨安によって日本とは逆の減少が起きても不思議ではないはずです。
まだ後の文章があったが日本人とドイツ人の考え方の違いを見たような気がした。世界的に問題となっている事柄に対し、速やかになぜ解決策を示せないのか。このまま時間稼ぎをしてユーロという通貨が値下がりしていくのを待っているのか。そのときギリシャは通貨ユーロが値下がったとき、再建できるとでも考えているのだろうか。むしろどんなにユーロが下がったとしても生産性の違いからギリシャはドイツ等から輸入しなくてはならないだろう。やがては支払いができなくなったギリシャは、ユーロ圏の名目お荷物として国自体が借金のかたに他の強い国に吸い取られてしまう。そこでドイツはヨーロッパでの強国になっていくのではないだろうか。私はそれを恐れる。
ギリシャの債務は(英エコノミスト誌 2011年6月25日号 によれば)3000億ユーロ、イタリア(債務残高1兆8000億ユーロ)とスペイン(債務残高6400億ユーロ)と他の国に比べてギリシャの債務残高は低い、それなのになぜギリシャが大きくクローズアップされるのか。そのことで考えてみるとギリシャよりも多くの債務を抱えているイタリア、スペインがまず問題となるのだが、現在はさし詰まったギリシャの債務不履行が問題となっている。そこにはなんとしてもユーロ圏を解体させたくないという思惑からギリシャをなんとしてもユーロ圏から離脱させないという考え方が支配していると考える。そこでの犠牲者はギリシャ国民ということになる。
『欧州との結びつきを考え直すドイツ』
2011年 9月 29日 21:33 JST
http://jp.wsj.com/Economy/node_316316/(key)/6f356556f470a04efbd6acf1a0d321bd?reflink=Yahoo 以下は上記から抜粋引用
ユーロ圏諸国にとっての大きな問題は、多くの一般ドイツ国民が共通通貨の具体的な利点を見いだせないと考えていることだ。世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが、その成長と生産性の向上は、政府給付金の削減や給与の抑制を伴ったものである。輸出や企業収益が好調な一方、平均的な国民の給与は数十年前から成長が止まっている。
この引用の中で>世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが
この世界的危機を脱して活気を取り戻したとあるが、これはユーロ安によってもたらされたのではないのか。もし単一通貨のドイツマルクであれば当然わが国(日本)と同じようにドル安マルク高になり日本と同じように産業の空洞化は免れないと思うのだが。当然ドイツ人の上に立つ者達はそのことを理解しているはずだと考え、なんとしてもユーロ圏を解体させはしないと強い決意を持っているようにみえる。
ここに面白い記事があるのを紹介しよう」。これも朝日新聞「ニュースがわからん」という中の文章で
「ホ 借金が多いのは日本も米国も同じなのに。
「A 欧州は17の国が1つのお金ユーロを使っているから騒ぎになる。本来、その国の経済の調子が悪くなれば、お金の価値が下がり、他の国に安く輸出できて景気が上向く。ユーロは安くなっているが、もしギリシャが自分の国のお金を持っていたら何倍も安くなっていたよ」。
まさにこのことはギリシャが自分の国のお金ドラクマを使わさせてもらえないということはユーロ圏としての統一が間違っていたことの証明ではないだろうか。なぜ間違っていたのか。
『ユーロ圏の解体がとてつもなく難しい理由』 jbpress.ismedia.jp
ユーロ圏の加盟国は、こんな買い物をしなければよかったという激しい後悔に見舞われている。多くの人は、20年近く前に購入し、1990年代終盤から2000年代にかけて組み立てた部品一式を分解したいと思っている。だが、分解はできず、欧州の協調構造全体と一緒に壊すしかない
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23240?fb_comment_id=fbc_10150320237099430_18866624_10150321668529430#f27838182abec88(2011年9月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
この記事の中で私もコメントを書いています。
カイユ氏は正しい。そして今、2つの新たな要素が加わったと同氏は指摘する。1つ目は、ドイツの世論が中央銀行に背を向け始めたこと。2つ目は、オランダのマルク・ルッテ首相を含む多くの政治家が、強制的な離脱の可能性を口にしていることだ。 多分遅かれ早かれギリシャはユーロ圏から離脱する以外方法は無いのでは。私は遅かった離脱だと捉えています。早く離脱していればギリシャは為替の関係で通貨安にもっていける。そこから安くなったギリシャ観光が世界から多くの観光客を呼び込めます。現在のユーロ支払いでは観光客はギリシャに行くよりもフランス、イタリアその他の観光地に分散されてしまう。 逆にドイツはユーロ圏が解散すれば当然のごとくマルク高になっていき、貿易収支がマイナスに傾いていくはずだと考えます。現在はユーロ安によって生産が拡大しているはずです。つまり黒字国です。...
この問題は通貨を理解しなかったために起こった問題であり。つまり一国一通貨ということの意味を理解しなかったために起こった問題です。 たとえれば日本という国は「円」という一国一通貨であり、北海道や沖縄が生産性が上がらなく赤字であれば、東京で稼いだお金が過疎地振興という形で公共投資等で経済の活性化が図られます。ですがユーロ圏という通貨は同一でも、国が違うことによって赤字国に貸付を行うだけです。それは国債の大量増刷という形であり、決してユーロ圏全体で東京が北海道を助けるように、赤字国を助けようということではありません。 結論はユーロ圏というものが間違えて発足したことであり。早い時期に解消すればよかったと考えます。それはギリシャの債務不履行の前に世界が手を貸し、ユーロ圏から離脱させることだと考えます。
何回も言うようですが「一国一通貨制度」を理解しないまま、「一ユーロ圏一通貨制度」に欠陥があるにもかかわらず推し進めてきた人たち、経済は原発の問題どころではないかも知れませんが、日本の原発推進派と同じように問題があったわけです。
この私がフェイスブックで書いた文章にドイツ国籍のある女性が返事をくれた。
M ユーロ安でドイツの生産が拡大するという図式は現在は成り立っていません。9月の経済バロメーターではやや下降気味になっています。 ユーロに構造的なエラーがあるのは確かですが、だからといって離脱や解体がよい解決策だとは思えません。誰もヨーロッパがばらばらになることなど望んでいないし、解体するにもコストがかかりすぎる。むしろ構造的エラーをなくす努力、つまり税制をはじめとする様々な政治体制の統一化に向かう努力をしながら前進するしかないと思います。
楢篠 ご意見ありがとうございます。確かに現在のドイツ経済は解りません。ただ日本と比較したとき日本は円高により企業が海外に逃げていくという空洞化現象に見舞われています。逆に考えるとドイツでは通貨安によって日本とは逆の減少が起きても不思議ではないはずです。
まだ後の文章があったが日本人とドイツ人の考え方の違いを見たような気がした。世界的に問題となっている事柄に対し、速やかになぜ解決策を示せないのか。このまま時間稼ぎをしてユーロという通貨が値下がりしていくのを待っているのか。そのときギリシャは通貨ユーロが値下がったとき、再建できるとでも考えているのだろうか。むしろどんなにユーロが下がったとしても生産性の違いからギリシャはドイツ等から輸入しなくてはならないだろう。やがては支払いができなくなったギリシャは、ユーロ圏の名目お荷物として国自体が借金のかたに他の強い国に吸い取られてしまう。そこでドイツはヨーロッパでの強国になっていくのではないだろうか。私はそれを恐れる。