前回の投稿(格差はやがて経済を崩壊に導くⅦ)の中で以下の文章を書いたが
>残ったのはローンの返済のめどさえ立たない家と車。そしてもろもろのマイナス資産を持つようになってしまった。そこにはプラス資産家とマイナス資産家の間には相当な乖離(格差)があり…
乖離(格差)があるということを書いたが、マイナス資産の行方はどこへ行ってしまったのか。ただ単にチャラになってしまったのであれば、何の問題も起こらないのだが、そのマイナス分は銀行への不良債権となり、それを救うため公的資金注入。その資金は国債を発行することになる。金融機関への取り付け騒ぎを恐れ、公的資金が際限なく注入される。
そこには資産を膨らませた者には何の損失も起こらないようになっているルール。これが膨大な国債を発行してしまう仕組みでもある。 また国債を発行した分のお金はプラス側の資産を膨らませてしまうことから、この関係がさらに続くような仕組みであれば、それは限りなく国債が発行されてしまう。
つまりプラス側の資産は国債残高に比例するといっても過言ではない。かたや政策ミス(経済を浮揚させるため住宅を買わせ、自動車を買わせローンを膨らまさせてしまう(現在では貨幣に対する理解不足から))から多くのローン債務者を日々生み出している。そのローンは未来の労働で支払えますという甘言でである。
だが経済が落ち込めば真っ先に労働さえも取り上げられてしまう、今という時代に生きている人達、支払いができなくなれば債務者へと落ちていく。そしてマイナスの資産家となっていく。
または現在の政治はプラス側の資産を膨らませんがためこのような政策をとっているとしか思えないのだが。ここには完全に格差が歴然と存在するのである。このままでいけばマイナス側の資産者は生きるための労働をさせてもらうためにプラス側の資産者の奴隷に落ちていくか、一度しかない貴重な人生を自らの手で終止符を打ってしまうかである。
この問題は貨幣が持つ機能(交換機能と保存機能)から来ているのである。貨幣は人間の知恵を働かせれば、交換機能が経済を限りなく発展させるが、保存機能を人間の欲望そのままにしておけばやがて世界は国債残高が限りなく膨らみ、プラス側の資産家といえども国債の紙くず化(売りが膨らむことから)から資産を失うことになっていくだろうと思うが。 その時経済は崩壊に向かうこととなるのでは。つまり格差が経済を崩壊に導くと言える。