(バスの車窓からはこのように見えたのです)
名古屋・瑞穂区の新瑞橋バスセンターを発車直後、車窓から目にした風景に驚き、戸惑いました。淡いピンクの花が広がる木は、サクラのようです。そこは700本のソメイヨシノの古木が並び「日本さくら名所100選」に選ばれたこともあるという山崎川堤防。僕も何度か花見をしたことがあります。
「名古屋のサクラの開花予想は、まだ2週間ほど先の3月26日ごろのはず・・・」と思いながら、車内の「あれは早咲きのサクラだよ」の会話に納得しました。
でも、家人の「ウメじゃないの?」の言葉がひっかかりました。「早咲きサクラでもいい。この春初のサクラ見物をしてこよう」「たとえ、ウメであっても、サクラの名所に堂々と咲くなんておもしろい」。翌13日朝、雨の中を出かけました。
「この姿はやっぱりサクラだ。すごい。あとで管理している市の土木事務所に品種などを問い合わせよう」。ほぼ満開に近い巨木を離れたり、近づいたり、角度を変えて何枚かカメラに収めているうち、木の脇の柵に掛けられた看板が目にとまりました。
そこには、こうありました。
「豊後梅(ぶんごうめ)。バラ科。中国原産。奈良時代に渡来し、鑑賞や梅干、梅酒、梅ジュースなどに利用され、全国に分布。名古屋市内では最大級の豊後梅です」(瑞穂土木事務所)
正解は、ウメだったのですね。
花に近づいて写した時、花弁の数や雄しべ・雌しべの形に「?」がよぎったのですが、サクラだと思いたい気持ちが強かったせいか、看板を読むまでウメとは思いませんでした。僕のように勘違いしたり迷う人が少なくないので、土木事務所も看板を掛けてくれたのでしょう。
「サクラだと思ったのだけどなあ」と内心つぶやく僕。「サクラが一輪ぐらい咲いているんじゃないだろうか」。ソメイヨシノの並木を見上げつつ、しばらく堤防を散策してきました。
(手前の木は蕾のかたいソメイヨシノ。
後ろに豊後梅。黄色いのは夏ミカンです)