風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽描き水彩画「教室の一泊スケッチ取材旅行先へ下見に」

風景水彩画教室で11月に計画している浜松方面への「一泊スケッチ取材」の下見に行ってきました。
生徒・講師18人の教室では、3ヶ月ごとに年4回、名古屋を中心にスケッチ取材へ出かけており、うち1回は1泊旅行にしています。これらの行き先や交通手段、宿泊ホテルの確保、必要なら現地の下見など、準備の一切は男女合わせて3人の幹事が進めており、私は今年の幹事のひとりです。

男性幹事2人で出掛けた今回の下見は、第一日の日程部分。具体的には、浜松北部の浜名湖畔を1時間に、1両の車両が1本しか走っていない天竜浜名湖鉄道(天浜線)に乗り、途中下車しながら湖畔の風景や美術館を訪ねるコースを事前に体験しておこうとのねらいです。

JR名古屋駅ホームで落ちあい、東海道線の新快速で天浜線の始発駅である新所原へ。天浜線の半分にあたる天竜二俣駅まで、乗り降り自由に往復もできるというフリー切符を買いました。天気はこの秋一番の快晴。左右に広がる浜名湖のきらめく湖面や色づいたミカン畑、車両を包む緑のトンネル、ヒガンバナ、スイフヨウ・・・。「下見にはもったいない」と思ったほどです。

最初に下車したのは、浜名湖畔の浜名湖佐久米という駅。ここは浜名湖の風景もさることながら、11月から3月までは飛来するユリカモメの乱舞が期待できると言われています。
次いで気賀駅。ちょうど昼時。ここでは浜名湖名物の鰻丼を昼食に、との計画を立ててあり、鰻屋ののれんをくぐりました。

宮口駅という無人駅でも下車。駅舎が国の登録有形文化財で、近くにはこの地方では指折りの銘柄酒・花の舞の酒造場へ。見学OK。計画通り訪ねてきました。
フリー切符終点の天竜二俣駅。近くには、この地に生まれ、文化勲章を受けた女流画家・秋野不矩の作品を所蔵している浜松市秋野不矩美術館があります。建物は著名な設計士らの造り。スリッパに書き換えて、開かれていた秋野作品の常設展を見てきました。

この後は、例年なら「旅の本当の目的」とばかり楽しむホテルでの宴会場の下見となるのですが、コロナのために昨年に続いて断念。下見もここまでとしました。

下見の結論から言えば、車窓からの眺め、取材スポットは十分。ただ、気がかりなのは見通しの立たないコロナと、我々が、講師も含めて平均年齢80歳を超える高齢集団であることです。また、食事の場所を確保しておこうとして知ったことですが、「予約お断り」の店が目立つことです。
その背景には、コロナ禍に加え、安易な通信手段で無責任な予約が増えて、キャンセルに泣かされている実情があるのでしょう。現役時代から数多くの幹事役をしてきましたが、さみしいことです。

帰りの車内で、検討会。
「天浜線は各駅停車だから空気の入れ替えが多く、安心だ」「下車した駅のトイレは感じが良かった」「高齢なので下車駅を減らすことや、美術館から浜松駅近くのホテルまでなどは、タクシーなどの活用がベターだ」
「宴会はやめても、夕食を複数の店に分散することなくできないか」「浜松駅からの帰りは新幹線利用も考えられるが、特急料金約3000円の上積みは重いのでは」「列車と列車の間の1時間内に、駅から離れたところで昼食を取るのは、店との往復や食事時間を考えると、不安がある」「秋野不矩美術館の訪問日は常設展ではなく特別展だが、期待できそうだ」

こんなことを話し合った結果、下車駅など計画していたルートの一部変更は必要、との認識で一致しました。それにしても、問題は「当日のお天気」。でも、こればかりは・・・。




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