風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽描き水彩画「教室のスケッチ会で、名古屋の『心霊・妖怪スポット』の一角を歩く」

 
風景水彩画教室のスケッチ会に出かけてきました。今週は名古屋市民ギャラリー栄で教室の作品展を開催中ですが、日程の都合でスケッチ会もすることになったのです。

今回のコースは、名古屋城の北北東2㌔ほどにある「心霊・妖怪スポット」です。
そこはこのところ海外にまで出かけて妖怪画展を開くなど、「妖怪づいている」山田彊一講師が生まれ育ったところ。いわば発想・制作の原点巡りというわけですが、寺や坂道などに伝わる妖怪伝説の「講義」に耳を傾けながらも、僕の目は満開のサクラに向きがちでした。

北区大杉の名鉄瀬戸線尼ヶ坂駅に集合、まず近くの久国寺へ。ここには大阪万博のシンボル「太陽の塔」の作者・岡本太郎が万博前の1966年に製作した梵鐘「歓喜の鐘」があります。
生きる喜びの爆発でしょうか。サイの角のような鋭くて太い突起が何本も飛び出し、魚や動物、妖怪の姿も。心霊・妖怪スポット巡りの始まりにふさわしいアートです。


続いて東区との境にある「首塚社」という、名前だけでもしり込みしそうな神社。
間口数㍍、10歩ほど入っただけで祠がある可愛い社ですが、尾張藩の家老宅で起きた過失による首切り事件の犠牲者を祭ったとか。屋根から突き出して上部が切られた古木、首塚霊神と書かれた幟の列・・・心霊スポットの雰囲気を感じさせます。

さらに、延命閣地蔵院。尼ヶ坂一帯で相次いだ辻斬りの被害者の霊を祭ったといわれます。境内に並ぶ可愛い地蔵は「お助け地蔵」と呼ばれ、参拝者が絶えないそうです。

尼ヶ坂と坊ヶ坂と呼ばれるなだらかな坂道。
尼ヶ坂には武士との悲恋の末に子を宿して尼になった女性が首つり自殺をしたとの伝説、坊ヶ坂には残された子が餓死したことで名付けられたとの言い伝えがあるそうです。

次は東区芳野にある片山神社へ。
和銅2年(709年)の創建とされ、延喜式神名帳にもある古社で、ムクノキなどの古木・巨木が茂り、都市を思わせない静けさ。尼が首を吊ったといわれる杉の古木の下部が残っています。

「切るに切れない」といわれているムクノキなどの古木、巨木にも出会いました。
伐採話が持ち上がるたびに、所有者や近くの住民らから「この木には霊魂がある。切ったら祟りがあるのでは」などの声が出て立ち消えになっていると聞きました。

半径1㌔にも満たない範囲にある、これらの寺や神社、坂道、古木・巨木・・・。まさに心霊・妖怪スポットの連続。
満開のサクラにも、霊魂が宿っているような気がしてきました。

 

 

心霊・妖怪スポット巡りの帰りに見かけたサクラとツバキのコラボ


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