風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「卒寿画家のボールペン画展と、絵仲間の写真展」

今年もあと2週間となった17日、名古屋・栄の市民ギャラリー栄で開催中の、来年には満90歳になるボールペン画家・安藤隆夫さんの個展「波と生きる」と、絵仲間が参加する写真グループの作品展を見てきました。いずれも21日(日)まで。


【波は我が生涯の師、とボールペンの安藤さん】

            
           安藤さんのボールペン画「荒れる日本海」



                              
                       安藤隆夫さん
 

ボールペン画の安藤隆夫さんは大正最後の生まれで、現在89歳。神戸商船大学を出て、中国からの引上げ船業務に携わったあと海運会社へ。役員も勤めて退社後「船乗り人生では縁のなかったことを趣味にしよう」と70歳から書、そして82歳からカルチャーセンターでボールペン画を学び始めました。

「ボールペン画の展覧会を見てきた娘から『お父さん、面白そうだからやってみたら』と勧められて・・・」
「3ヶ月ほどで嫌になって辞めようとしたら、今度は『お父さんは、私たちが子供のころ、始めたら投げ出してはダメ、と言っていたじゃないの』と叱られました」

風景や人物画を描いていましたが、なかなか思うようになりません。そんな時、先生からの「長い間、目にしてきた波はいかがですか」の言葉が、波をテーマにする始まりだったそうです。

「現場では、写真を撮るだけでなく、波を見ながら、波の高さや形、流れの速さ、風の向き、強さを知り、さらに波を作り出す海底の様子も想像したりして描きます」
「ボールペンは一本100円の0・5㍉や0・7㍉のもの。1枚を描きあげるまでペンは変えない。同じ黒のようでもメーカーによって違いますから。何本かのペンを使うと、絵が崩れてしまいます」
「集中力と根気が勝負。だから、2時間ぐらいで休み、続きは後日になることも」
「波と共に生きた70年。波は我が生涯の師です」

展覧会では、これまでに70枚ほど描いたA5、A3、A2大の作品から40点を展示。東尋坊、伊豆、瀬戸内海、伊良湖などでスケッチした波が並びます。
怒涛の波、踊る波、千鳥が舞う波・・・。飛沫や砂、波の華も克明に描かれています。

高齢者施設で教えたりしている安藤さんですが、カルチャーの教室では40人ほどいる生徒のひとり。でも、その力量は誰しもが認め、それに最年長。
「一所懸命に描いているだけですよ。こんな楽しい余生を送れるのは、先生や教室の仲間の励ましのお陰です」と安藤さん。
この展覧会場の受付当番も教室の仲間たちが交代で引き受け、寒風の中を訪れた人たちを迎えていました。


【写真と絵の二刀流の仲間も】
    
            
                    合同展の案内状

              
           坂井勝次郎さんの作品   
                    

グループ達写・写伸クラブの第11回合同作品展は、同じ講師が勤めるカルチャーセンターの生徒たちの展覧会。僕の絵仲間である坂井勝次郎さんは「達者」に所属しています。絵も写真もという、いわば二刀流の達人というわけです。

花や風景など35点が展示されています。坂井さんの作品は京都府の若狭湾に面した伊根での1枚。飛び交うウミネコでしょうか。正面から向かってくる姿をとらえています。「僕と目が合ったのです。その瞬間です」と坂井さん。

坂井さんは「美しい花と風景を楽しみましょう」というタイトルのブログ

http://flowerandscenery.blog69.fc2.com/
を持っています。見事な作品が並んでいます。開いてみてください。


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