雪の名古屋・東山動物園正門
迎えてくれたキリン
日本列島が寒波と雪に包まれた18日、名古屋の積雪も9年ぶりに20㌢を超える23㌢に。「この日の風景を見逃すわけにはいくまい」とカメラを手に、足元を気遣いながら東山動物園に出かけてきました。
午前9時すぎ、正門から入場。バスと地下鉄を乗り継いでやってきた自分に「我ながら物好きだな」との思いがあったのですが、「同好の士」はいるものですね。
あっちに1人、こっちに2人・・・。同年輩の男女から若い女性まで、いずれもカメラを手にしています。
さっそく目にしたのがインドサイ。別名「ヨロイサイ」と呼ばれるだけある分厚い皮膚が寒さから身を守っているのでしょうか。垂れた木の枝の雪を口にくわえたりして、ゆったりと歩いていました。
次に向かったライオン舎などの住人たちは、姿を見ないまま。園舎と庭を隔てる出入り口の鉄格子は閉じられ、職員の「動物たちが慣れない雪に滑って、堀に落ちたりしてはいけませんから」との説明に納得した次第です。
でも、気を取り直して向かった先の動物たちは、サービス精神いっぱいに迎えてくれました。
まずキリン。少し足をとられながら雪の庭を歩き、庭の隅に設けてある高さ5㍍の給餌カゴに近づくと、中の草を引き出しムシャムシャ。見守る我々に何度もカメラ目線でポーズをとってくれました。
シロクマ君も待っていた久々の雪を確かめるように、岩山をあっちへ行ったり、こっちに来たり。
賑やかだったのは、カリフォルニアアシカたち。プールを泳ぎ回るメスたち、水から身を起こして大声を繰り返すオス。やや興奮気味に舞い落ちる雪を楽しんでいる様子です。
アライグマや、名前からも寒さに強そうなユキヒョウたちも、吹き込んだ雪の園舎で余裕たっぷりに迎えてくれました。
10時半を過ぎると雪も止み、東山の森にも青空が。
来年1月末には2歳になるアジアゾウのさくらちゃんも、ママと一緒に姿を見せると、お庭を散歩。ママが「そろそろ、お家に入りましょ」と呼びかけても、積もった雪を珍しそうに鼻でつつき、やがて一掴みすると口の中へ。
動物たちの様子とは別に、改めて知ったのは動物園職員らの活躍ぶりでした。
早出をしてきて、スコップや竹箒などを手にメーン道路だけでなく、動物たちの園舎につながる小路に積もった雪をかき、客たちの足を確保する姿があちこちに。売店では、お客さんが来ないうちに通路やテーブル、屋根の雪を取り除いてしまおうと頑張る店員たち。
運転開始をしばらく遅らせた園内のモノレールでも、レールに積もった雪を取り除くため竹箒を手に作業車を走らせる様子が。
「いろんな光景も目にすることができ、出かけてきて良かった」。そんな思いで動物園をあとにしました。
賑やかに泳ぐアシカたち 余裕のユキヒョウ
おい、この白いの何だろう? とカンガルーたち アライグマも雪と遊んでいました
楽しそうに岩山を動き回るシロクマ
インドサイも雪を味見です 高さ5㍍にある草を食べるキリン
さあ、お家へ入りましょ。ちょっと待ってよママ
池のボートも雪帽子 雪かきをする職員たち
モノレールのレールも竹箒で雪かき 並んだ雪のベンチ
雪の日の楽しさが形になる雪だるまづくり