自宅庭の吊り下げプランターに咲くナスタチウム(キンレンカ)。先日、軒下で雪と寒波に負けずに3ヶ月間も咲き続けた一輪のミニバラを紹介しました(3月24日掲載)が、このキンレンカも軒下で冬を乗り切ったのです。
わが家にキンレンカが登場したのは10数年前、瀬戸内海を見下ろす高台の民宿の庭で咲き、朝食のサラダに添えられていたのがきっかけ。それがこぼれ種で咲くと知り、毎年育てています。
しかし、この花は耐寒性、耐暑性とも弱いのが特徴。わが家でもこぼれ種で苗は生えてきますが、夏の猛暑と冬の寒波にやられてしまいます。
そこで苗を見つけると小さなポットに移し、冬はガラスボックス(ヒーター装置などはありません)で育てます。しかし、ガラス窓を閉め忘れて寒波で枯らしてしまったことは、1度や2度ではありません。
写真のナスタチウムは、このような保護を止め、自力で育つのを見守ることにしました。
昨年の晩秋、プランターにこぼれ種の苗がいっぱい出ているのを見て、プランターをそのまま軒下へ移動させておきました。
苗をポットに植え替えることも考えましたが、根を崩すと根つきがよくないのもこの花の特徴で、苗と苗の間隔が2センチ前後しかない苗をポットに移植するには、何本かを間引きしなければなりません。他にも小さな芽が飛び出しそうになっている種もいくつかありました。
「このままにしておいて、苗たちの『生存競争』を見てみよう」。やや無責任で、常識を無視した栽培を試みることにしたのです。
軒下は雨や雪からは逃れても、寒気は避けられません。
伸びていた葉と茎の多くは冬の間に次々枯れ、周りの葉で寒風が直接当たるのを免れたのか、プランターの中央寄りの茎が葉を少し残すだけになりました。
でも、生き残っていた茎に新芽ができ、花芽もできて4月上旬から開花が始まったのです。
円形プランターの直径は25センチほど。そこに約15本の茎。せいぜい4、5本が限度でしょうから、明らかに「チョー密植」です。
液肥を多めにやればいい、というものでもないようです。草丈は短く、茎の太さも箸の先の方ほどのもあれば、爪楊枝ぐらいしかないものまでさまざま。葉も花数も、明らかに小さく少ないですね。
これまでのような、吊り下げプンターから沢山の花が垂れ下がる姿は期待できそうにありません。