風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「2日目は乗鞍岳へ=宣言解除の奥飛騨旅行」

コロナの緊急宣言解除で、男の子2人の孫たち一家と出掛けた奥飛騨旅行2日目は、北アルプス最高峰の乗鞍岳(標高3026㍍)へ。つづら折りの乗鞍スカイラインを走るバスの車窓に広がる山肌は、始まって間もない紅葉に彩られていました。

終点の畳平(2702㍍)で下車。冷気に包まれ、急いでセーターとウインドブレーカーを着こみ、旅先でも私はあまり着用しない帽子も、売店で買い求めました。
一般車の乗り入れは禁止されており、バスでやってきた色とりどりの防寒着とリュック、登山靴で整えた人たちがあちこちに。巨岩のガレ場が連なる山肌や周りの雄大な峰々を仰ぎ、歓声を上げながら、思い思いのルートに向かっています。

こちらは写真を撮ったり、売店をのぞいたり、食事をしたり・・・。その間に、5度だった気温標識は7度を示しています。シーズンが終わった広大なお花畑を目に「花の季節だったら、あの中を歩くだろうなあ」などと考えていた時でした。中学生と小学生の孫たちが「剣ヶ峰まで登ろうよ」と言いだしたのです。

畳平と最高峰の3026㍍にある剣ヶ峰との高低差は324㍍。パンフレットには「日本100名山の中で唯一、片道2時間以内で登頂できる山。3000㍍級の山岳登山に比較的挑戦しやすい岳人入門の山」とあります。
といっても、孫たちは、まだ中学生と小学生。親が付き添うにしても、途中にはガレ場もあり、不安はぬぐえません。

改めて山腹に目を向けると、剣ケ峰へ向かう人の姿が断続的に見えます。「普段からトレッキングやワンダーホーゲルをやっている人たちだよ」「もっと山のことを勉強してからの方がいいね」と私。
しかし、剣ヶ峰踏破を今回の旅の一番の目的にしてきたという2人は、納得できないようです。それに、高齢者である私たちのことを気遣って、言い出すのを遠慮していたらしいことが分かります。

しばし、沈黙。私自身の70年前の自分を蘇らせ、今ある自分の思考力や判断力、表現力など、言わば「生きる力」を身に付けてきたことを思い起しました。
「それは、学校での学習だけでなく、自ら求め、吸収した読書や見聞、さまざまな体験であり、挫折感や達成感を味わったことではなかったか」「自分は今、孫のそれを摘み取ろうとしているのではないか」「ここは
親の判断に任せよう」と結論しました。
「よし分かった。爺ちゃんたちは残るが、まず途中にあるコロナ観測所を目標に登り、あとは体の調子などを考えて・・・」「途中で引き返すことも、勇気だからね」と聞いたような口を利き、小躍りして駆け出す孫たちを見送りました、

約3時間後。無事下山の知らせ。スマホに送られてきた写真には「剣ヶ峰」の標柱に並んで立つ「どや顔」がありました。

飛騨乗鞍観光協会のパンフから


写真では見えにくいですが、7度と表示されています

剣ヶ峰へのルートに、コロナ観測所が見えます

車窓から


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