庭の片隅に、1輪の真っ白なクチナシの花が咲きました。でも、この木を植えた記憶はありません。
何の木だろう?1年ほど前、花壇の密植状態になっている小菊の間から伸びている1本の木に気づいて見守っていたところ、樹高60センチほどに成長。
白い花弁6枚からなる直径6センチほどの花が咲いたのです。調べると、一重咲きのクチナシと分かりました。
実は一昨年まで、数メートル離れたところにクチナシを植えてあったのですが、枯れてしまいました。でも、このクチナシの種子が芽生えた、とは考えられません。
なぜなら、今回咲いたクチナシの花は一重咲きですが、枯れたクチナシはバラのような八重咲きだったからです。
考えられるのは、野鳥の「お土産」です。
都心から離れた自宅周辺には、雑木林もあって野鳥が生息、民家の庭にも飛んできます。僕も庭木の枝にミカンやリンゴを刺して歓迎、鳥たちは食べ終わるとフンを落としていきます。
春になるとフンの中にあった種子が、次々に発芽。見たこともない苗もありますが、放っておけば雑木林になるので形端から取り除いています。
今回残していたのは、小菊の陰にあって発見が遅れたのと、正体を確かめてから切り取ればいいと思ったからです。数年前にはサクラの苗と分かり、しばらくそのままにしていたものの、狭い庭にサクラは無理、と引き抜きました。
新しいクチナシには、まだ6個の蕾が残っています。芳香を放っていた前のクチナシが枯れて寂しい思いをしていましたが、これで初夏の楽しみのひとつが戻ってきました。