風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽描き水彩画「名古屋の『この木なんの木 気になる木』を描く」

 

   

この木なんの木 気になる木

名前も知らない 木ですから
名前も知らない 木になるでしょう

名古屋市西区の庄内緑地にあるこの木を目にするたびに、日立グループのCMソングを口ずさみたくなります。
3・5ヘクタールもの大芝生広場のど真ん中に立つシンボルツリー。その名前は「ケヤキ」です。

木のそばには何の表示も見当たらないので、描くにあたってこのケヤキを少し紹介してもらおうと、緑地内の事務所を訪ねました。
窓口でのやりとりを耳にした若い職員から「調べてみます。時間がかかるかもしれないので、あそこの椅子でお待ちいただけますか」との声がかかりました。

しばらく待って分かったのは――。
①  1986年に東京・村山市から移植された。40トンクレーンを使う大がかりな植え付けだった
②  現在の樹高は約20㍍、幹回り3・8㍍、葉張り約24㍍。樹木医の話では、ケヤキは高さよりも葉張りが中心になるので、幅はもっと大きく広がるだろうと言われている
③  移植当時の樹齢は約70年。だから、今年はちょうど100歳ということになる
――などといったデータでした。

僕は絵を描く時、モチーフのプロフィールを少しでも知っていると楽しく描けると思っており、これだけ分かれば十分でしょう。ほっとするとともに、所蔵文書などを探しながら調べてくれた若い職員の熱心な対応に感謝しました。

1500歳以上の古木もあるケヤキの世界からすれば、100歳というのは青年というより、まだ少年でしょう。
しかし、クスノキやメタセコイアなど110種8600本もある庄内緑地の樹木の中で、根の張り方を見てもひときわ逞しく存在感があります。

ネットの「日立の樹オンライン」によれば、CMソングの現在のモデルはハワイ・オアフ島の「モンキーポッド」という名前の木で、樹齢約130年、高さ約25㍍、幅約40㍍、胴回り約7㍍だそうです。
「庄内緑地のケヤキも、肩を並べる巨木に」「これからは葉張が成長するので容姿もスマートな日本一、いやそれ以上に」
そんな夢を広げながら、まずはそれを予感させる根元の姿を逆光の葉を入れて描きました。


日立グループのCMソングのモデルであるハワイ・オアフ島の「モンキーポッド」
                             「日立の樹オンライン」から





 


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