2019.03.31(日)
今日は釣友Sと釣行予定だったが、昨夜から台風並みの風が吹いており、今朝もまだ強風だったため早々と中止にした。今朝と言っても未明の4時28分のことである。この時間に電話で叩き起こされる訳であるが、もう少し状況経過を見守って決定しても良かった気がする。お蔭で今日は1日暇になったので、メダカの箱池の掃除に集中することにした。4月中旬頃からメダカも産卵するので丁度良い。
明日は11時30分に、5月1日の新天皇即位に伴う政府による新元号の発表もある。今日現在、新元号は解らないので、実質今日が平成最後のブログ記事アップということになろう。
今日は最近読んだ本の寸評、記載するのは今回で18回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。
2月24日の光市の冠梅園、梅も満開、人出も凄かった。駐車場が一杯で入れなかった人も多かったようだ。
『マスカレード・ホテル』 東野圭吾著 集英社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年2月14日読了
寸評:直木賞を始めとして各賞総なめの感がある著者、東野圭吾の著書に外れは無い。本書は、都内で起きた不可解な連続殺人事件を追って、主人公格の若き刑事がホテルマンに化けて潜入捜査に就く。容疑者もターゲットも不明であるが、次の犯行場所が都内の一流ホテルで行われるということのみ判明しているからだ。主人公の女性フロントクラークの教育を受け、次から次へと怪しげな客たちが訪れるのに対応していく。やがて2人は事件の真相に辿り着くが、私は大まかにではあるが、いち早く事件のトリックに気付いた。それは、容疑者が複数人居るということだ。容疑者たちは連続殺人に見られるよう工夫しているが、決して連続殺人では無かったということだ。著者の作品では最後のどんでん返しが魅力だが、今回は私の予想がほぼ当たった。
『御宿かわせみ』 平岩弓枝著 文春文庫 評価☆☆☆ ’19年2月19日読了
寸評:古本屋で購入したのだからあまり文句も言えないが、本のカバーと中身が違っていた。と言っても”かわせみ”の「新」シリーズを買ったつもりが中身は「旧」のものだった。初めて読むのだから「新」も「旧」も解らなかったが、現在2冊目を読み始めて気付いた次第。2冊目は間違いなく「新」シリーズのものである。本屋もいい加減なものである。こうなったら旧シリーズから読もうかと思い直す。最初に読んだ「獅子の座」が面白かったので、続いて他の著書を読もうと思ったのだが、本書は私には今一だった。内容は町奉行所与力の次男坊神林東吾が、幼馴染の宿屋かわせみの女将るいと深い仲になり、宿で起こる様々な事件に絡み真相を明かしていくというもの。
『新・御宿かわせみ2 華族夫人の忘れもの』 平岩弓枝著 文春文庫 評価☆☆☆ ’19年2月21日読了
寸評:前回読んだ本は旧シリーズの最初の本だったが、今回は新シリーズの2話目である。登場人物も世代交代し、時代背景も江戸から明治へと移っていた。主人公も神林東吾の息子麻太郎に代わり、取り巻きたちの顔ぶれも半数くらい変わった。麻太郎は医者であり、身辺で起こる様々な事件に巻き込まれ、絡み、かわせみでも前編同様に様々な事件が勃発し解決へと導く。麻太郎の父東吾は、幕末は軍艦操練所に勤め、幕府の洋式帆船などに乗船していた。その父は榎本武揚の要請を受け幕府艦隊を函館に向け、官軍幕軍との戦いの中、行方不明となっている。本シリーズはひょっとすると父親探しの面もあるのかと思う。う~ん、このシリーズ、何処から読んでいくか、それとももうお終いにするか。
冠梅園で梅まつりの期間中のみ発売される、梅大福「梅の里」、期間中1日平均4000個売れるとのことだ。大福の中に梅がまるまる1個入っていて美味であるが、出来れば梅の種を除いて欲しいという意見もある。私は種がある方が味わい深いと思う。年寄りは餅を喉に詰まらせないようにしなければならない。
『こんなに面白かった「百人一首」』 吉海直人監修 PHP文庫 評価☆☆☆☆ ’19年2月26日読了
寸評:百人一首というと高校の頃だったか、全部覚えろというのがあったけど覚えられなかった。と言うより、端から覚える気が無かった。同僚の女性に聞いてみると、1人は高校(私と同じ高校)時代に全部覚えたというが、還暦近い今では殆ど忘れている。もう一人は、小学校の時に覚えろと言われて全部覚えたという。こちらはまだ二十歳なので、我々よりは記憶が新しい。百人一首は天智天皇の時代から鎌倉初期までの歌人百人の秀歌が収められた歌集で、今から800年くらい前に藤原定家によって編纂された。百人一首の最大のテーマは恋である。恋愛には今も昔も変わらぬ人間の機微があり、それが時代を越えて現代人の心に共鳴するのであろう。親子3代で選ばれている歌もあるし、圧倒的に多いのが秋の歌である。解説を読むと圧倒的に多い技巧が、枕詞を用いるものと1つの言葉に2つ以上の意味を持たせる掛詞を用いる技法である。他には本歌取り、倒置法、体言止め、句切れなど多くの技法がある。
『華麗なる一族』(上)・(中)・(下) 山崎豊子著 新潮文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年3月15日読了
寸評:寸評:神戸の地方財閥である名門万俵家が日本の財閥にのし上がろうとする大河ドラマである。1970年3月~72年10月まで週刊新潮に連載されたものであり、映画化、TVドラマ化もされている。万俵家の総帥である大介は都銀である阪神BK頭取、関連企業に阪神特殊鋼などの企業グループがあり一大コンチェルン、今日で言うところのファイナンシャル・グループを築いている。その傘下企業の阪神特殊鋼は大介の長男鉄平が実質経営しているが、祖父似の鉄平(父は長男の出生に懐疑的である)は事業意欲旺盛で高炉建設という大設備事業に取り組む。しかし父が経営するメインの阪神BKは融資に消極的で策を弄し、トリックに引っ掛け大同BKにメインを移行する。特殊鋼不況と設備の爆発事故をきっかけに物語は大きく展開する。万俵大介は子供たちを大蔵大臣や官僚との閨閥作りに利用し、阪神特殊鋼を破綻させ、遂には大介の念願である都銀上位の大同BKを吸収合併(建前は対等合併)する。悪は栄え善は滅ぶの構図である。しかし長男は自殺しそこから華麗なる一族の崩壊が急速に始まるが、物語では予兆を示しているがその最終顛末はない。
ここで現実に話を戻すと、実際の都銀の最初の合併は、私の手元の資料によると1973年の神戸BKと太陽BKが合併し太陽神戸BK設立である。金融自由化が進み海外の大手BKに対抗するにはBKのメガ化は必須であり、恐らく水面下では各都銀の首脳による駆け引きがあったであろうが、この小説はその大合併成立の3年前から執筆されているところに注目したい。著者は当時の三菱BKの頭取に度々取材したようだが、それは的確な取材であったことが窺われる。この小説はBKの聖域に切り込む挑戦的な金融小説のはしりでもあろう。
『歴史の意外な結末』 日本博学倶楽部著 PHP文庫 評価☆☆☆ ’19年3月19日読了
寸評:教科書や歴史書などで読んで誰もが知っている歴史的事件の数々、しかしそれはそれに関わった人物の断片的な経歴に過ぎないことが多く、本書はその事件や人物の「その後」を辿っている。そこには意外な展開、意外な人生ドラマが隠されていることが少なくない。知っているようで知らない意外なその後、波乱万丈の人生を送った人物のその後、歴史を動かした女性たちのその後、世の中を賑わせたその後、作家・芸術家・あの天才たちのその後、何とも信じがたい驚きのその後、世界史の裏に隠された知られざるその後、などへえ~と驚きのその後が書かれている。
2月21日に発行された平成天皇御在位30年の記念硬貨。24日には記念式典もあり、自宅には国旗掲揚(新調しました)もした。
『解体新書たあへるあなとみあ』 群ようこ著 新潮文庫 評価☆☆☆☆ ’19年3月20日読了
寸評:著者の初対談集か。小説新潮に連載された10人分の対談が文庫化されている。但し20年も前の対談集で、20年前には私が知らない対談相手が殆どである。勿論、20年後の今日では皆著名人である。恋愛、老い、お金、男、恐怖、創作、からだ、趣味、子供、仕事などをテーマにしている。著者の本はあまり読んでないので良く解からないが、もっともっと対談してテーマ別に対談集が出るといいなと思う。吉行、阿川を目指せ。著者は性格的には作家に向いているようだ。
『ハレー彗星の科学』 的川泰宣著 新潮文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年3月25日読了
寸評:この本は1986年2月5日の近日点、地球へのハレー彗星大接近を前に、世界的な観測や宇宙開発のスペシャリスト達の国際連携プレーの過程を描いた実録である。本書は1984年発行なので、その体制が整ったところまでが記載されている。私が小学生の頃は宇宙や星、そしてSF物の雑誌を読むと心躍ったものだ。それはあくまで夢物語に類するものだったが、今や宇宙ステーションまでが現実となっている。今から15年くらい前に私は大きな天体望遠鏡を譲り受けた(当時数十万円の代物)が、実際に星を見るまでにはかなりの準備を要するものだった。望遠鏡を外気温に慣らすだけでも相当な時間を要した。そのため実際に覗いて観たのは数えるほどしか無い。私には宝の持ち腐れなので、その後学校へ寄付した。話が逸れたが、本書はアリストテレス、プトレマイオスの天動説から16世紀中頃のコペルニクスの地動説、更にはティコ、ケプラー、ガリレオ、ニュートン、そしてハレー、ヘベリウスと続く天体やハレー彗星観測の過程も詳述されており非常に面白い。
『銀行裏総務』(上)・(下) 山田智彦著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年3月28日読了
寸評:本書は金融小説ではあるものの推理小説の面白みもある。銀行の総務部の中で、表面切って処理できない各種の事件、事故を裏で上手に処理するポストの人を描く。銀行の特殊な部分の仕事をしている有能な人物の記録である。こうした人物は各銀行、証券会社その他に必ず1~2名居て、不幸にも毎日仕事に忙殺されているのだ。銀行内部ではまともな金融マンでも銀行員でもないが、相当な資金も自由に出来るし、頭取以下の役員の恥部まで握っていることも多く、待遇面では処理屋として優遇されている。しなやかでありしたたかな人物でなければ務まらない。これらの巨大組織の内部は良く解からないものだが、著者は永年大銀行の役員も務めていたので詳しい。この当時、著者は銀行員と作家の二足のわらじを上手くこなし、数回も芥川賞候補にあがっている。約22年前の小説だが今も決して色褪せていない。著者の本は今回初めて読んだ。
3月12日に発行された’20年東京オリンピックの記念切手(左はリーフレット、右上が記念切手、右下は台紙)。
【3月31日過去の釣行記録】
・2007年第2埠頭東側、06:15~13:15、中潮、釣果=カレイ7
・2012年櫛ヶ浜港旧防波堤、19:00~22:00、長潮、釣果=メバル15
・2013年櫛ヶ浜港新防波堤、18:40~19:40、中潮、釣果=メバル2・タナゴ1
・2018年今津川河口東側、06:10~12:10、大潮、釣果=カレイ2・ハゼ2
【この日の釣り情報】
・2006年第1埠頭東側、21:30~23:30、中潮、釣果=メバル1
【旧暦2月25日釣行記録】
・1999年04月11日、奈切大気暴露試験場前、11:00~15:00、長潮、釣果=カレイ2・キス1
・2007年04月12日、第2埠頭東側、05:10~09:00、長潮、釣果=カレイ3・キス1・アイナメ1
・2009年03月21日、第2埠頭東側、06:50~13:00、長潮、釣果=カレイ4・アイナメ1・ナマコ1
・2012年03月17日、日石前岸壁、13:40~15:20、長潮、釣果=ボウズ
・2012年03月17日、あさごくら湾岸壁、15:50~16:50、長潮、釣果=ボウズ
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