連休最終日はYBR125オーナーさんのクラッチメンテナンス
のお手伝いをしたよ。
あれこれ指南しつつ見慣れたクラッチとご対面。
すでにフリクションプレート5枚化強化アッシーが組み込まれて
いる車体で、今回の目的は異音がしだしたから念のために強化セ
ットを丸ごと新品に組み直すとの事だったが・・・
作業中に異常を発見した。
クラッチクラウンにガタが発生しているのだ。
手でゆするとガタガタと動いて隙間が変化する。
本来ここは均一な隙間で回転方向にしか動かない部品なのだ。
ガタが発生する原因はココ。
丸印のリベット止めが緩んでプライマリードリブンギアとクラウン
間にガタが発生していたのだ。
余談だけど、矢印の場所は見た通り何もないけれど旧型YBR系や
G型にはここにキックスターター用のギアが装備されているから、
2013年式以降のYBR系でキックスターターを組みたい時は、
このアッシーをまるごと旧型用に交換しないとならない。
さて、このガタの症状は俺にも経験がある。スズキのジェベルで
まったく同じ不具合が発生して、プライマリードリブンギアアッシ
ーを丸ごと交換しないと直らなかった。
残念なことにクラッチアッシーは新品が手元にあるけれど、この
プライマリードリブンギアアッシーは用意されていないので、今回
は分解・確認だけで終了となってしまった。
できれば一回の作業で完治するのが理想だけれど、仕方ないね。
クランクケースの底に削りカスが溜まっていたよ。
走行すれば少しずつ溜まるのは仕方ないけど、かなり多め。
洗い流してみるとアルミ片が目立つ。
やはりリベット周辺にガタが発生して、アルミ製のクラウンが
が削れたんだろう。
とりあえず元通りに組み直す事になった。
異音はするので高負荷をかけない程度の運用をしながら、新品の
プライマリードリブンギア・アッシーが到着するまで待つ事に
なった。
異音の傾向を書いてみると、クラッチ側に聞き耳を立てると、
アイドリング時に「カタン、カタン」とか低い音程で「ゴンゴン」
と不定期また周期的な異音がエンジン音に混じるのだ。
開けてクラッチクラウンをゆすってみると、回転方向でないのに
カタカタ動くようならビンゴ!w 即、アッシー注文しよう。
ついでに5枚化強クラッチも入手すると一回の作業で二度おいし
いし、強化アッシーとプライマリードリブンギアアッシーをセッ
トにした割安品もタオバオ店によっては扱っている。
二度手間にはなったけれど、異音の原因が判明したのは幸いだ。
整備主任も少しお疲れ気味だったよ。w
実はこの車体はボアアップやビッグキャブ化など、かなり高
出力な改造がされていて、高速道路やサーキット場などでもガン
ガン走ってるから、急激な加減速の負荷でプライマリードリブン
ギアの固定リベットが緩んだんだと思う。
通常運用のYB/YBR系でクラッチ異音と同種の故障を起こした例
はあまり聞かないけれど、中国本土からの情報で同じ故障例を1
件見た事はある。
後日、ガタのあるクラッチクラウンを新品に交換したら、異音が
無くなって静かなアイドリング音になったとの報告が舞い込んだ。
皆さんもクラッチ側カバーを開ける機会があったら、ついでにプ
ライマリードリブンギアをゆすってみる事をお勧めするよ。
以上、大変珍しいプライマリードリブンギアの故障例でした。