SHAンパンでもいかが?

「最終楽章 気分はAdagio」
77歳の一人暮らし。

バイエル

2023-03-07 23:27:00 | 日記




「バイエル」と
聞いただけで
嫌な思い出が蘇るかたは
子供の頃に
親に無理やりピアノを
習わされたかも。

作曲したのは1806年に
ドイツのハレ近郊で
まれた
作曲家でピアニストの
フェルディナンド•バイエル
です。

室内楽などの器楽作品を
書いたようですが
すべてどこかに消えて
「バイエル教則本」にしか
名前が残っていないようです

この教則本は
小学校に上がる前に
クリアしなければ
ピアニストは無理だと
言われていました。

日本には1880年
(明治13年)に
アメリカ人音楽教師
ルーサー•ホワイティング•
メーソンによって
もたらされました。
メーソンは
文部省「音楽取調掛」に
雇われて西洋音楽を
教えておられた方です。

欧米では
あまり使われないのですが
日本では多くのピアノ教師が
バイエルを使用しました。

アメリカではグローバ―
バスティン、トンプソン、
使われることが多いのです。
私も子供達には
これでレッスンを
しているのですが
バイエルでは
とても思い出に残る
出来事がありました。





65歳を過ぎて
ピアノを習いたいと
いらした方が
「子供の頃、家が貧しくて
ピアノを買えず
近くの家から
毎日聞こえるバイエルを
弾きたいと憧れていました」とお話して下さり
早速、念願のバイエルを
始められたのですが
いつも楽しんで
よく練習してこられ
あっと言う間に
クリアされたあとは
べートーヴェンやバッハ、
ショパンなども
暗譜で弾けるように
なっておられました。


「晩年にピアノを
思う存分弾くことができ
母は最上の時間を
過ごしました。」と
先日、お嬢様から
ご連絡を頂きましたが
私もいつも心待ちに
していた時間でした。