まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 3

2013-10-03 21:16:04 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
どもども、タビィの話、3回目です~。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その3

  タビィは 小さな箱に戻った
  でもお腹が空いたと 鳴いてみても
  もう誰も お乳をくれなかった
  白い手が鳴くなと 怒鳴られて
  タビィは この手が悪いんだと知った

<つづき>

タビィは 昼間に出歩いた
一族や魔族が 寝ている時間
明るい外は まぶし過ぎた
白い手を見るのが 嫌だった
だけど 飢え死にするのも嫌だった

街の人間たちは 牛の乳をくれた
山羊の乳より うまいと思った
人間たちは 黒くなかった
けれどタビィは 夜になると
街外れの小箱に 戻って寝た

ある日 箱に入ろうとして
どうやっても 入れなかった
タビィは 大きくなってたんだ
夜になるのに 隠れられない
タビィは 物影に隠れて寝た

タビィは夜も 街にいるようになった
いくら物影に隠れても 黒猫たちが
出てくるなよと にらんでくるから
人間の街の夜は 明るかった!
タビィは白い手を 隠して寝た

ある夜 街は浮かれてた
小さな人間たち わらわらと
奇妙な服に カボチャの灯り
家々回って 楽しそう
タビィは そっと近寄った

小さな人間たちは タビィを見つけ
いつもの白い手の猫だと 喜んだ
ハロウィンには 猫がいなきゃ!
抱いたりなでたり 大はしゃぎ
街中いっしょに 浮かれまわった

それからタビィは 街中の
子供たちの 人気者になった
だけど時たま 出会う猫たちは
その見苦しい手を 見せるなと
タビィを 物影に押しやった

<つづく>



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コメント
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