まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 28

2013-10-30 21:40:26 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
いよいよ明日ハロウィンですよ、ドキドキしますね。


今日まかろん、食後のデザートに
スーパーで買ったチルドデザートを食べました。
毎日パンプキンパイだのカボチャクッキーだの食べてて、
さすがに胃がもたれてきたもので。

で、あっさりめのを、と思って、えーと、
3種のベリーのムースとかなんとか、
というのを食べてたんですが、少し酸味を加えたくなって、
手持ちのブラッドオレンジシロップをかけてみました。

ビタミンCを身体が欲してるということかもしれないと思って、
一緒に飲んでたミックスジュースにもたっぷり入れました。

そしたら。

「淡雪(生クリーム)の園に飛び散る真っ赤
 の凝り(イチゴゼリー)はぷるぷると血の池に震え、
 何とも分からぬ物体(果物)が、流れるにまみれ、
恨めしそうに見上げてた・・・」

という、なんともホラーな状態に。

ぎゃー、と思って飲み物を見ると、そこには 
鮮血ジュースが。

ブラッドオレンジシロップ、すごい威力です。


さて、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その28

  タビィの身体は 形を失い
  意識は再び 元の小さな猫となった
  力をよこせと喚く 暗光の渦
  もみくちゃに されながら
  タビィは 見知った顔を見た

<つづき>

それは街で 牛の乳をくれてた人間たち
女や老人子供たちが 痛い怖いと喚いてた
どうして と女たちは怒っていた
どうして と老人たちは慄いていた
どうして と子供たちは泣いていた

いつもの 白い手の猫だと
笑って抱きあげてくれた 子供たち
一緒に行こうと 街を回ったランタンの夜
猫ちゃんの分も とお菓子をくれた人間たちと
それを渡してくれた子供たちの 笑顔

みんな いまはゆがんでた
生きてたかった死にたくなかった
変な光が どうしてどうして
まだしたいことがやりたいことが
まだ死ぬはずじゃなかったのに

どの光も わめき慄いて
タビィに 気づくものはなかった
当てどなく ただ飛び回り
だんだん 大きな七色の闇の渦に 
引きずり込まれていった  

待って とタビィは手を伸ばした
それは 白い片手だった
黒猫たちが さげすんだ手
なければ良いのに と憎んだ手
だけど 人間たちは笑ってくれた

タビィは 渦に向かう光の一つに飛びついた
どうしてと泣きわめく 子供の顔
タビィは 意識の舌でその顔をなめた
何故か つるんと冷たい感触ばかり
見えてる涙をなめ取ることは できなかった

ただ 影をなめてるようだったけど
タビィは 光に浮かぶ泣き顔を
何度も何度も なめ回した
泣かないで と意識で言った
あのときの笑顔を どうか見せて

<つづく>



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コメント
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