まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 27

2013-10-29 21:28:49 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、変な天気ですね~?
皆さま、お元気ですか。


ハロウィン月もあと3日、ということで、
どうですか、皆さまハロウィン気分楽しんでいますか。

ハロウィンもだいぶ市民権を得てきたようで、
やっぱりあちこちで関連のものを目にしたりします。

今日、山手線に乗ったら、
次の駅とか表示するテレビみたいのがありますよね?
あれで天気予報も流してるんですが、
イラストが魔女の絵でした♪ やった☆

それは良いのですが、
問題はあちこちの店で関連グッズ(カボチャ!)やら
お菓子(パンプキン☆)やらを売ってることで・・・。

かなりヤバいです、
まかろんの財布と体重が。

だって、今だけ!と煽ってくるんですよ、卑怯ナリ・・・。


ま、それはともかく、
今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その27

  力をよこせ と光る球たちは言った
  力をよこせ と抜け出ようとする何かも言った
  無様にのたうつ ちっぽけな肉塊たちを余所に
  世界は 湧き立つ欲望の合唱となった
  もっと力をもっと力をもっと力を力を力を!

<つづき>

魔女たちはすでに 虫の息だった
南の魔女は ひゅーひゅーと
耳障りな音を たるんだ首から出していた
西の魔女は 色艶なくした白髪の間で
縮んだしわだらけの顔と身体を 痙攣させてた

北の魔女は 枯れ木のように転がっていた
恐怖に開いた目と口は 虚ろな洞窟のようだった
黒騎士の鎖帷子は むざんにちぎれ
ねじ曲がった身体に まとわりついてた
抜きかけの剣が 震える手からこぼれ落ちた

黒魔道士の目は 見えない何かに見開かれ
骸骨のような指を まだ徒に伸ばしてた
黒司祭の巨体は 綿のようにゆるみ
僧服の中で泳ぐ たるんだ身体は
急速に どす黒い斑点に覆われていった

蒼白い球の波は 怒涛となって
倒れるタビィたちを 呑みこんだ
彼らから抜け出かけてた 闇のこごりは 
冥い歓喜の声を上げ 宙に向かって
七本の 暗く輝く柱と変じた

柱はそれぞれ 色をもっていた
蒼白い球たちは 我先にと柱に飛び付き
あるいは 吸い寄せられ
柱はますます膨らみ つながった
不気味に七色に光る柱が 鋭く天地を突き刺した 

空は すっかり濁っていた 
雲が激流のように 流れる合間を
月が 弱々しい朱い光を投げていた
蒼白い光が 森から空の向こうから次々飛び込み 
柱はいっそう猛り うなりを上げた

魔女たちの身体は もう抜け殻だった
意識の核は 闇のこごりに引きずられ
吹き上げる暗光のどこかに 散っていた
タビィの中の魔女もまた 悲鳴を上げて
自分が殺した 猫たちの意識と共に裂かれていった

タビィの身体は 形を失い
意識は再び 元の小さな猫となった
力をよこせと喚く 暗光の渦
もみくちゃに されながら
タビィは 見知った顔を見た

<つづく>


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コメント
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