まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 25

2013-10-25 21:46:16 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、週末ですね~。
台風とか言ってますけど、楽しく過ごして下さいね。


今日まかろん、英和辞典をめくっていましたら。
redolent、という単語がありまして、
「~の匂いがする」という意味なんだそうです。

で、皆さまご存じのように、
辞書では単語の意味だけでなく、用例が書いてありますね?

honey redolent of spring (春の匂いのする蜂蜜)とか
spices redolent of the East(東洋の香りする香辛料)とかあって、
おお詩的だな、と思ってたら。

a little girl's breath redolent of seaweed
海藻の匂いのする少女の息

・・・。???? ・・・・・・!!???

編集者よ何があった、っていうか、
辛いことでもあったんだな・・・(遠い目。)


さて、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その25

  南の魔女は 薄く笑った
  さあ進みましょう と北の魔女
  儀式は終わり 長居は不敬です
  西の魔女が 豊かな髪を揺らす
  そう長居は不敬 早く帰ってお祭りよ!

<つづき>

西の魔女の足取りが 軽くなる
お坊さんじゃないけど あたしも
賜物遣うのが 待ちきれないわ
今なら魔王さまだって 誘惑できそうよ
これ と南の魔女がたしなめる

あんまり 馬鹿なこと言うもんじゃない
賜物取り上げられたら 死ぬんだよ
でも今じゃないでしょ と西の魔女
あたしが 淫蕩の賜物の魔女
あたし以上に この力を望めた者はいないのよ

そうだけどね と南の魔女
まあ気をお付け それ北のがにらんでる
一行は広間を抜け 階段を降りた
踏まれた 石段の顔たちは
彼らの力に怯え 黙ったままだった

お城の入り口に 控えてた 
燕尾服の男が 頭を下げて扉を開けた
皆さま 無事のご拝領
まことに おめでとうございます
また お会いできると良いですな

タビィたちは ひねこびた庭に出た
満ちた月の光が こうこうと
ゆがんだ庭と人間たちを 照らした
薄暗い部屋と 巨大な闇に慣れた目には
その単純な光が 不思議に思えた

誰もが 小さく息をついた
月を見上げ 降る穏やかな光に身を浸した
痛みも誇りも虚勢も 全て
身の裡に飼う 冥いうずきも
全ては 清浄な月の光に溶け去るようだった

<つづく>


人気ブログランキング ← さあ、帰ろう・・・。


※変更:2018年8月27日
庭と人間たちを 照らした → ゆがんだ庭と~
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 24

2013-10-24 22:07:16 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

聞いた話なんですけど、台風が接近すると気圧の関係で、
人々の集合想念が負のモードになりやすいのだそうです。

ここ最近、
イライラしてたり、モヤモヤしてたり、悲しい気持ちになったり、
なんてことはありませんか?

そんな気分は吹き飛ばしてしまいましょう!

そういう時は「まかろんのお茶会」に、と言いたいところですが、
さすがにそこまで大口はたたけないので、
代わりにこちらはいかがでしょうか。

YouTube「マンチカン子猫のプロレスごっこ」

変なサイトに誘導されるのでは、とご心配な方は、
YouTubeで、「マンチカン プロレス」と検索してみて下さい。

ぜひ明るく、楽しく、ハッピーになっちゃってくださいね!


で、ちっとも明るくない当お茶会ですが(ハロウィン話ですからねぇ)、
今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その24

  魔女たちは 頭を上げた
  松明だけが明かりの 薄暗い広間は 
  相変わらず 血と死体だらけだったが
  何となし がらんとしたように思えた
  さあ祭りじゃよ と南の魔女は言った

<つづき>

広間の者たちは 気だるげに
うっそうと 立ち上がった
ただ黒司祭は 嬉々として 
今にも 走り出しそうだった
熊のような巨体は 滑る床を軽々と進んだ

あやつは帰って 暴食三昧よ
南の魔女は つぶやいた
やつの立ち直りの 早さときたら!
まこと 大食の賜物が
欲しくなるのは こんなときかの

まあ あんだけ何かに一直線っての
羨ましいっちゃ 羨ましいよね
黒魔道士は 気のなさそうに軽口たたく
僕なんか毎日 退屈で退屈で
下らん と黒騎士が眉をひそめる

一同が 血染めの床を進む間に
血も死体も臓物も 床や壁に
ゆっくりと 呑み込まれていった
わしらも こうして終わるんじゃな
南の魔女が しみじみ言った

疲れてるんだね と黒魔道士
祭りはこれから ほら坊さんを見なよ
軽々歩いてた 黒司祭は足を止め
死体を次々 呑みこむ床を 
羨ましげな目で 眺めてた

南の魔女は 薄く笑った
さあ進みましょう と北の魔女
儀式は終わり 長居は不敬です
西の魔女が 豊かな髪を揺らす
そう長居は不敬 早く帰ってお祭りよ!

<つづく>


人気ブログランキング ← まあ、多分こんな陽気な“お祭り”ではない。
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 23

2013-10-23 21:49:33 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
週半ばですけど、お元気ですか?


すまじきは宮仕え、なんて昔から言いますけど・・・

まあ、いろいろとね・・・。


さて、すみません、
今日は少々茶菓子が短すぎるように見えるかと思いますが、
どうしても展開上、ここでしか切れないもので。

さあ、今日はタビィはどうなるでしょうか?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その23

  その言葉を 合図のように
  身体の奥のこごりが 大きく震えた
  松明の灯りはまた 暗くなり
  血と臓物の匂いは 一層強くまとわりついた
  大きな闇の静かな声が 身体の裡から響いた

<つづき>

卑しき我が下僕たちよ と声は言った
残った者は一斉に 床に頭をすりつけた
大罪の重みを 知ったあとでは
その闇は さらに大きく深く感じられた
それは世界始って以来 積み重なった痛みだった

我が力の ほんの一部しか望めぬ
小さき者たち 汝らは求めるものを得た
深く身の裡に 響いた声は
何故か タビィにはほんの少し
哀しげな色を 帯びているように思えた

汝らの世界に つぶされることを
心に望む者は そのように
闘うことを望む者はまた そのように
今宵 汝らは闘うための力を得た
限られた心で 汝らの勝利を得るが良い

魔女たちは いっそう頭をすりつけた
大きな闇は 薄れていって
やがて完全に 気配を消した
忘れるなと言うように 身の裡のこごりが
どくんと震え そして治まった

魔女たちは 頭を上げた
松明だけが明かりの 薄暗い広間は 
相変わらず 血と死体だらけだったが
何となし がらんとしたように思えた
さあ祭りじゃよ と南の魔女は言った

<つづく>


人気ブログランキング ← ハロウィンが近づいてるのは嬉しいですね♪

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 22

2013-10-22 22:49:27 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども皆さま、お今晩は~。

今日はびっくり話は特にないけど、
詩の方が充分びっくりになってきている(と思う)ので、
お楽しみ下さい~。


さあ今日は、タヴィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その22
 
  痛みと恨み 滅する力を・・・

  タビィは 耳の奥で
  風のような声を 聞いたと思った
  けどそれは わき上がる力のうねりに紛れ 
  すぐに 頭から追い出された
  息をついた南の魔女は 口をゆがめた

<つづき>

やれ 今年も賜物はきっかり七人
皆も存外 だらしがないのぉ
誰か二つ三つの賜物 試してみんかね
恍惚としていた 黒魔道士が
唐突に我に返って 口をはさんだ

それで 大罪の重みに自滅しろって?
その後は漁夫の利 やるね婆さん
うずくまってた黒司祭は 顔を上げ唸り声を上げた
剣にすがってた 黒騎士も
酷薄そうな 淡青色の目を上げた

そなたに 我が高慢の賜物の
痛みが担えるとは 思えぬがな
控えなさい と北の魔女
冷えた鉄のような声は ざらついていた
魔王さまがまだ おいでです

その言葉を 合図のように
身体の奥のこごりが 大きく震えた
松明の灯りはまた 暗くなり
血と臓物の匂いは 一層強くまとわりついた
大きな闇の静かな声が 身体の裡から響いた

<つづく>

人気ブログランキング ← おっと静かに、しーーっ。

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 21

2013-10-21 21:20:05 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
また月曜ですねぇ。
しかもいよいよ10月下旬ですよ。
皆さま、いかがお過ごしでしたか。

まかろんの今日のびっくりはですねぇ・・・

うーん、仕事ではあったのですが、あんまり面白くないなぁ、ネタ的に。

なので、えーっと、

Trick or Treat! (お菓子くれなきゃ、いたずらするぞ!)

・・・ びっくり、した?

ごめんなさい、今日ネタなかったです・・・


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その21

  タビィは 大広間の床に
  ひざまずいてる自分に 気づいた
  汗でローブは ぐっしょり濡れて
  床についた手は 震えてた
  身体の奥に 何かが鈍く脈打っていた

<つづき>

おや やっぱり手に入れたかい
傍で かすれた老婆の声
汗まみれの 南の魔女が 
荒く息をしながら タビィに言った
他の連中も 自分の分は守ったようだね

見ると 広間は一面血まみれ
つぶれた臓物や死体で 埋まってた
全身を侵すような 血の匂いの中
魔女や黒騎士たちが 荒い息で 
汚れきった床に 座り込んでた

西の魔女は 金の髪をふり乱し
汗まみれの 滑らかな白い顔に 
緑の目を ぎらつかせていた
北の魔女は いっそう蒼ざめ
小さな青灰色の目だけが きらめいていた

金の髪の黒騎士は 片膝をつき
床に立てた黒い剣に すがっていた
直立した黒い剣の方が 主人に見えた
黒ローブの魔道士は 宙の一点を見据えてた
熱を帯びた冥い目は やつれた細い顔で輝いてた

黒い僧服の黒司祭は 
いかつい身体を縮めこみ 
組んだ両手に頭を低め 嗚咽と涙を流してた
血と汗で汚れた 震える身体は
いくぶん小さくなって 見えた

一人として 床に這い
汗にまみれ 朦朧とし やつれ
巨大な痛みを呑む 苦しみと 
それを与える世界を憎み圧する 冥い喜びに
うち震えない者は いなかった

痛みと恨み 滅する力を・・・

タビィは 耳の奥で
風のような声を 聞いたと思った
けどそれは わき上がる力のうねりに紛れ 
すぐに 頭から追い出された
息をついた南の魔女は 口をゆがめた

<つづく>


人気ブログランキング ← ようこそ・・・。

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