先日、青山にあるニッカのブレンダーズ・バーに出掛けてきました。
今度は学校の方ではなく、事務所の方のアシスタントがウィスキー
に興味を持っているとかで「去年ハイボールデビューしました」な
んていう調子なものですから、大人の世界を教えてあげるとかな
んとかで本音は私が行きたかったのは言うまでもありません。
昨今はモルトバーに出掛けると、もっぱらホスト役ならぬガイド
役になることが多く、そういうときはゲスト優先でこちらは密か
にあえて反対のタイプを選んだりしてフォローに回るのも一興と
いうものなのですが、驚いたのは彼女がとんだ酒豪で強いウィス
キーでもけろっとしていることでした。
記憶もすっかり怪しいのですが、最初に奨めたのは竹鶴12年ベー
スのハイボールです。これは特別にお願いしてちょっとだけ濃い
めに作ってもらい、他所では絶対に飲めない極上のハイボールに、
認識を改めていた様子です。
次はハイランド・パークの12年オフィシャルをニートで。現在は
ハイランド・パークの日本代理権をニッカが保有しているようで、
メーカ直営のこのバーでも世界一のウィスキーを楽しめます。
肝心の彼女は、最初の2杯でウィスキー界の幅と奥行きにすっかり
目覚めてしまったらしく、もっとスゴイのが飲みたいとか。このあ
たりでこちらが冗談ではなくなってきています(笑)。
3杯目は、ブレンド用キーモルトシリーズのWoody & Vanillicで、
いわばニッカの看板である余市の新樽ものに(初めて来たのに!)
行っちゃいまして、驚くべきことに「今までのなかでこれが一番
美味しい」だそうです。末恐ろしいとはこのことです!
まだ飲みたい、違うタイプがいいとか曰うので、ヘザーの風味の
カスク物がいいのではないかと考えたのですが、ハイランド・パー
クのカスクはないとのことで少々残念に思っていたところ、バー
テンダーさんが一押しです、と宮城峡のシェリー仕込みのカスク
ものを出してきてくれました。
15年もののシングルカスクですが色は醤油のような見事な赤黒
さで、マイルドな宮城峡のウィスキーにシェリーの風味がしっか
りと混ざり合っている秀逸な一本です。
私が普段シェリーものに手を出さない理由は、甘いものが苦手と
いうこともありますけれども、それ以上にシェリーの強さにウィ
スキーが負けてクドイ味になってしまっているものが多いからで
もあります。例えて言うなら生クリームが多すぎるケーキのよう
に感じてしまうのです。
しかし、このウィスキーはベースのウィスキーとシェリーの風味
のバランスが丁度良く、どちらが勝ったり負けたりということが
ないので、香りも味も50/50のバランスの良さが特段に意識
せずともスムーズに流れるところにあります。熟成年数が15年
というのも、このバランスを作り出している大きなポイントでしょ
う。一押しだというのも頷けます。
そうして、ウィスキー対決(いつから対決なんだ)はしたたかに
アルコールが浸透して進められていくのでした。
つづく♪
にほんブログ村
感謝!